現役の事業所運営者が書く、障害福祉の経営誌

障害福祉で国の補助金は使えるか
計画名に障害福祉を含む採択347件

最終更新|制度基準日
執筆:福祉経営ナビ編集部
監修:徳永 崇志(現役の就労継続支援B型事業所運営者)
結論

中小企業庁の採択者データを集計すると、障害福祉の採択計画は347件ありました。うち245件は事業再構築補助金で、第7回と第8回だけで180件です。この補助金の新規の応募受付は、2025年3月26日の締切で終わっています。

この記事で扱う設備投資・新事業の補助金のうち、いま応募できる国の制度は2つです。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、締切が2026年10月30日18時です。中小企業省力化投資補助金の一般型は、第8回の締切が2026年10月16日17時です。小規模事業者持続化補助金の第20回は、締切が2026年12月15日17時です。ただし公募要領に「障害」の語は出てきません。障害福祉の報酬の扱いは、どの制度でも書かれていません。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、社会福祉法人の記載がなく、事務局への確認が要ります。省力化の一般型は、所轄庁の認可を受けた従業員300人以下の社会福祉法人が、収益事業の範囲内で行う場合に対象です。建物の整備は別の制度です。グループホームなどは厚生労働省の施設整備費補助金の対象で、放課後等デイサービスは、こども家庭庁の交付金の対象施設の一覧に入っています。

採択者データには不採択の計画が載っていません。障害福祉の計画が採択されやすいかどうかは、このデータでは分かりません。

根拠:中小企業庁 採択者データ(ミラサポコネクト)2026年10月2日取得・当社集計、事業再構築補助金事務局、各補助金の公募要領、厚生労働省・こども家庭庁の資料
目次

計画名に障害福祉の語を含む採択計画は347件

中小企業庁の採択者データで、計画名に障害福祉の語を含む採択は347件ありました。

入口にしたのは、中小企業庁が公開している補助金の採択者データです。株式会社イチドキリが2026年10月2日に取得し、障害福祉の語で計画名を絞り込みました。母集団は、計画名のある採択78,161件です。

集計に入れた補助金は、次の5つです。

  • ものづくり補助金(12〜19次)
  • 事業再構築補助金(第7〜13回)
  • 小規模事業者持続化補助金(第10〜16回)
  • 中小企業省力化投資補助金の一般型(第1〜3回)
  • Go-Tech事業

IT導入補助金は計画名が無いので、集計に入っていません。

347件は計画名の語が一致した数です。新規参入の件数ではありません。サービス種別が計画名から読めるのは193件で、残りの154件は種別の記載がありません。切り口ごとの件数は次のとおりです。

切り口件数
計画名に障害福祉の語を含む採択(全体)347
サービス種別が計画名から読める193
種別の記載なし154
事業所の開設・新分野展開の語を含む118(うち事業再構築補助金105)
障害のある人の雇用・仕事づくりの語を含む37

行どうしは切り口が違うので、足し合わせる数字ではありません。

種別の記載がない計画には、事業所の運営ではないものが混ざっています。実際の計画名は次のとおりです。

  • ものづくり補助金 第13回 大阪府「使用済給湯器を新たに雇用する障がい者が分解・分別し、種類ごとに販売する事業」
  • ものづくり補助金 第12回 愛知県「治療のDX化に向けたデジタル技術を活用した「障がい者歯科治療」の治療工程の変革」
  • ものづくり補助金 第14回 東京都「視覚障害者用暗所視/視野支援眼鏡の試作品開発」
  • 中小企業省力化投資補助金 第1回 長野県「女性も障害者も活躍!協働ロボットによる畳製造のバリアフリー化」

省力化投資補助金の障害福祉の計画1件は、事業所の運営ではありません。このデータを読むときは、次の5つを前提にしてください。

  • 不採択の計画は載っていません。応募件数も採択率も分かりません。
  • 判定は計画名の語の一致です。語を含まない障害福祉の計画は拾えていません。サービス種別も計画名から読んだもので、事業計画書の中身ではありません。
  • 持続化補助金は、第10〜15回が公式の採択数の51〜84%しかデータに載っていません(第16回は全件)。64件は実際より少ない可能性があります。
  • IT導入補助金は計画名が無く、デジタル化・AI導入補助金の障害福祉の件数は分かりません。
  • 計画が採択されたことと、事業所が実際に開設して指定を受けたことは別です。データから開業の実績は分かりません。

7割は事業再構築補助金、第7・8回に集中していた

計画名に障害福祉の語を含む採択計画の約7割は、事業再構築補助金で、第7・8回に集中していました。

補助金別の件数は次のとおりです。割合は、障害福祉の計画を計画名のある採択で割ったものです。

補助金障害福祉の計画計画名のある採択割合
事業再構築補助金24529,3160.84%
持続化補助金6428,8390.22%
ものづくり補助金3615,8550.23%
中小企業省力化投資補助金13,8010.03%
Go-Tech事業13500.29%

事業再構築補助金の回ごとの件数は、次のとおりです。

回障害福祉の計画計画名のある採択
第7回1087,760
第8回726,461
第9回164,265
第10回295,261
第11回52,437
第12回102,031
第13回51,101

この2回の公募期間と、採択結果の公表日は次のとおりです。

回公募期間採択結果の公表
第7回2022年7月1日〜9月30日2022年12月15日
第8回2022年10月3日〜2023年1月13日2023年4月6日

2回に集中した理由は公式の資料から言えません。この記事では、件数と時期の事実だけを示します。

採択データには不採択が載っていないので、障害福祉の計画の通りやすさも分かりません。

サービス別に見る採択計画(放デイ・児発/グループホーム/就労継続支援)

計画名から種別が読める193件のうち、最も多いのは放課後等デイサービス・児童発達支援の77件です。

種別は、計画名の語から読んだものです。

種別全体事業再構築補助金うち第7・8回持続化補助金ものづくり補助金
放課後等デイサービス・児童発達支援77634886
就労支援(種別の記載なし)50393447
グループホーム(共同生活援助)39383510
就労継続支援B型20151341
就労継続支援A型44400
生活介護22200
就労移行支援11000
種別の記載なし15483444722

省力化投資補助金とGo-Tech事業の各1件は、どちらも種別の記載がありません。

「就労支援(種別の記載なし)」は、就労支援の語はあっても、A型かB型かなどの記載がない計画です。

放課後等デイサービス・児童発達支援

放デイ・児発は、事業再構築補助金の採択が最も多くなっています。実際の計画名を挙げます。

  • 事業再構築補助金 第7回 愛知県「レスパイトケアを充実させる安心の医療的ケア児の児童発達支援事業所の開設」
  • 事業再構築補助金 第7回 兵庫県「手厚い小規模保育園経営経験を活かした児童発達支援事業への進出」
  • 事業再構築補助金 第13回 大阪府「子どもたちの居場所を作る放課後等デイサービスの運営計画」
  • 持続化補助金 第12回 茨城県「バリアフリー化による安心・安全な放課後等デイサービス事業」
  • ものづくり補助金 第13回 埼玉県「発達障害と重症心身障害児をお持ちの児童の受け入れ態勢の確立」

計画名に医療的ケア児や重症心身障害児を挙げて、対象の児童を絞った計画もあります。

グループホーム(共同生活援助)

グループホームは、ほとんどが事業再構築補助金の採択で、第7・8回に集中しています。実際の計画名を挙げます。

  • 事業再構築補助金 第7回 東京都「障がい者グループホーム事業の参入で地域貢献を担う」
  • 事業再構築補助金 第7回 大阪府「社会的課題解決のために重度障がい者グループホームの設立」
  • 事業再構築補助金 第8回 福岡県「地域密着型の就労支援付き精神障がい者グループホームの運営」
  • 事業再構築補助金 第9回 東京都「ペット共生型障がい者グループホーム事業」
  • 持続化補助金 第12回 所在地の記載なし「障がい者向けグループホーム立ち上げ支援サービスの販路拡大事業」

ペット共生型を掲げる計画名は、第7回から第9回までに複数あります。持続化補助金の1件は、グループホームの運営ではなく、立ち上げ支援サービスの販路拡大の計画です。

就労継続支援

B型は3つの補助金に分かれ、A型はすべて事業再構築補助金の採択です。実際の計画名を挙げます。

  • 事業再構築補助金 第7回 愛知県「ITを活用した就労継続支援B型事業所立ち上げに伴う業種転換」
  • 事業再構築補助金 第8回 愛知県「「シイタケ栽培事業者との農福連携」に特化した就労継続支援B型施設事業への新分野展開」
  • 事業再構築補助金 第8回 山口県「農林官民福が連携したA型事業所開設による持続可能な竹林整備事業」
  • 持続化補助金 第14回 奈良県「就労継続支援B型事業所開設事業、及び授産品ECサイト運営事業」
  • ものづくり補助金 第15回 京都府「農福連携による就業支援B型事業所とイチゴ農園の融合」

農福連携を掲げる計画名が、複数の補助金にあります。

持続化補助金は、障害福祉サービス事業と重複する経費の扱いと、法人格に注意が要ります。確認したのは2026年8月23日の第20回公募要領で、2026年10月4日には再確認していません。

関連する記事を挙げます。

他の業種から障害福祉を始めた計画の実例

事業再構築補助金の採択計画には、飲食店や運送業などから障害福祉へ進出する計画があります。

開設や新分野展開の語を含む計画は118件で、うち105件が事業再構築補助金です。次の13件は、元の業種が計画名から読める事業再構築補助金の採択です。

補助金・回都道府県種別計画名(原文のまま)
事業再構築補助金 第7回北海道児発・放デイクリーニング会社による児童発達支援・放課後等デイサービス事業
事業再構築補助金 第7回千葉県就労継続支援B型チョコレート店と就労継続支援B型事業をクロスさせた専門店の開設
事業再構築補助金 第7回愛知県放デイ飲食店が「食」の独自サービスを提供する放課後等デイサービスへ転換
事業再構築補助金 第7回山形県グループホーム塗装業から障害者支援のグループホーム運営事業に業種転換
事業再構築補助金 第7回長野県グループホーム中華居酒屋から障害者支援のグループホーム運営事業に業種転換
事業再構築補助金 第7回徳島県放デイギフトショップから 新事業 放課後等デイサービスへ挑戦 発達に困りごとがある児童の日常生活の向上と居場所つくりをめざす
事業再構築補助金 第7回福岡県グループホームアパート企画会社が行うペット共生型の障がい者グループホーム事業
事業再構築補助金 第8回福岡県放デイ運送事業から発達障がい児の放課後等デイサービス事業へ進出
事業再構築補助金 第8回京都府放デイ未来の夢を探せ!設備業者から就労準備型放課後等デイサービスへの業種転換
事業再構築補助金 第8回北海道就労継続支援黒板製造業から地域密着型の就労継続支援事業への新分野展開
事業再構築補助金 第8回愛知県就労継続支援人形小売業から農福連携型の就労継続支援事業への再構築
事業再構築補助金 第8回佐賀県就労継続支援佐賀県の地域密着型牛乳販売店が就労継続支援事業への多角化に挑戦!
事業再構築補助金 第10回愛知県児発・放デイ不動産賃貸業のノウハウを活かした、コロナ禍でも安心して療育ができる、児童発達支援・放課後等デイサービス事業への進出

元の業種は、飲食店、運送業、塗装業、小売店、不動産業など多岐にわたります。ただし、これらの計画が実際に開設や指定まで進んだかどうかは、データから分かりません。

事業再構築補助金は新規の応募を終えているため、同じ形で今から申請することはできません。いま応募できる制度は、次の節で見ていきます。

関連する実務資料
チェックシート

補助金・助成金 申請前チェックシート

受付期間の短い制度に備えて、申請前に済ませておく手続と期限を順に確かめられるようにしています。

資料を見る →

事業再構築補助金は終了。これから使える国の補助金と、法人格・報酬の注意点

事業再構築補助金は2025年3月で新規受付を終えており、いま応募できるのは別の制度です。

事務局のお知らせ欄は、第13回公募の電子申請受付を2025年3月26日に終了したと書いています。新規の応募受付は終了しており、第13回が最後でした。当社集計の245件は、終了した制度の実績です。

いま応募を受け付けている国の制度

2026年10月4日時点で、この記事で扱う設備投資・新事業の補助金のうち、応募を受け付けているのは次の2つです。括弧内の額と補助率は、特例を適用した場合の値です。

制度状況と締切補助上限額補助率建物費
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 新事業進出枠第1回。2026年9月30日に受付開始、2026年10月30日18:00締切従業員1〜20人 2,500万円(3,000万円)、21〜50人 4,000万円(5,000万円)、51〜100人 5,500万円(7,000万円)、101人以上 7,000万円(9,000万円)。補助下限額750万円中小企業者 1/2(2/3)対象経費にある。機械装置・システム構築費か建物費のどちらかが必須
中小企業省力化投資補助金 一般型第8回。2026年9月18日に受付開始、2026年10月16日17:00締切5人以下 750万円(1,000万円)、6〜20人 1,500万円(2,000万円)、21〜50人 3,000万円(4,000万円)、51〜100人 5,000万円(6,500万円)、101人以上 8,000万円(1億円)中小企業 1/2(2/3)、小規模企業者・小規模事業者・再生事業者 2/3対象経費にない

小規模事業者持続化補助金の第20回は、申請受付の締切が2026年12月15日17時です。対象外経費と法人格に条件があるため、詳細は別の記事に譲ります。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、名前が似た補助金と混同しやすい制度です。事務局は、中小企業新事業進出補助金およびものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金とは異なる補助金だと書いています。締切は9月30日から10月30日に延びているので、古い日付に注意してください。

新事業進出枠は、既存事業とは異なる新市場や高付加価値事業への進出を支援する枠です。障害福祉サービスの名指しはなく、他業種の障害福祉への進出に適用できるかを示す公式の例示も見つかりません。

この補助金では、補助事業の終了後3〜5年の事業計画で、次の3つをすべて満たす必要があります。

  • 付加価値額の年平均成長率が+4.0%以上
  • 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が+3.5%以上
  • 事業場内最低賃金が、地域別最低賃金より+30円以上高い水準

目標に届かない場合は、補助金の一部または全額を返還する義務が生じる場合があります。

省力化投資補助金の一般型は、人手不足を機械やシステムで補う設備投資の補助金です。対象経費に建物費はなく、機械装置・システム構築費が必須です。事業所の新設そのものの初期費用に使う制度ではありません。

報酬との重複を、公募要領はどう書いているか

3つの公募要領とも、国の他の制度との重複を補助対象外にする項目を置いています。診療報酬・介護報酬の扱いは、制度ごとに書きぶりが違います。

制度公募要領の書きぶり障害福祉サービスの報酬
事業再構築補助金(第13回)国が目的を指定して支出する他の制度と、同一または類似の内容の事業を補助対象外とし、例として診療報酬・介護報酬を挙げる。公式サイトで確認できた範囲では、第7回(1.0版)にこの語はなく、第8回(1.1版)と第13回には入っている。第9〜12回の版は未確認記載なし
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回)国の制度との重複を含む事業を補助対象外とする項目で、かっこ書きで公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬は除くと書く記載なし
中小企業省力化投資補助金 一般型(第8回)同上。第5回までは診療報酬・介護報酬との重複を補助対象外にしていたが、第6回からかっこ書きで除くに変わった記載なし

公募要領の全文を検索すると、3つとも「障害」の語は1件も出てきません。障害福祉の報酬の扱いは書かれていません。診療報酬・介護報酬と同じ扱いになるかどうかを、公式の資料から言い切ることはできません。新事業進出と省力化一般型のよくある質問も探しましたが、この点の事務局の回答は見つかりませんでした。

事業再構築補助金は、書きぶりの向きも他の2つと違います。重複を理由に対象外とする側に、診療報酬・介護報酬を例示しています。2つの書きぶりを混ぜて読まないでください。

法人格の注意

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、補助対象者の6区分に社会福祉法人の名前がなく、対象とも対象外とも書かれていません。事務局への確認が要ります。医療法人は、公募要領とよくある質問の両方で対象外と明記されています。

省力化投資補助金の一般型は、社会福祉法人を条件つきで対象にしています。次の3つをすべて満たす必要があります。

  • 所轄庁の認可を受けて設立されている法人であること
  • 従業員数が300人以下であること
  • 収益事業の範囲内で補助事業を行うこと

NPO法人・社会福祉法人・医療法人は、従業員が20人以下なら補助率が2/3になります。

関連する記事を挙げます。

建物の整備は別の国庫補助で(施設整備費補助金・こども家庭庁の交付金)

建物の整備費は、グループホームなら厚生労働省の補助金、放デイなど障害児の施設ならこども家庭庁の交付金です。

厚生労働省の社会福祉施設等施設整備費補助金は、社会福祉法人などが障害福祉サービス等を始めるために施設を整備するときの費用を補助します。グループホームの創設は、この補助金で進める整備の例として資料に挙がっています。就労移行支援や就労継続支援の事業所などの日中活動系サービスの整備も、促進の対象です。

障害児関係の施設は、2023年度からこども家庭庁の所管です。補助は、次世代育成支援対策施設整備交付金で行われます。放課後等デイサービスは別の交付金で、厚生労働省の補助金の対象とは書かれていません。

2つの制度を並べると、次のとおりです。

施設整備費補助金(厚生労働省)次世代育成支援対策施設整備交付金(こども家庭庁)
対象の例グループホーム、就労移行支援・就労継続支援などの日中活動系の事業所障害児入所施設、児童発達支援センター、児童発達支援事業所、放課後等デイサービス事業所、居宅訪問型児童発達支援事業所、保育所等訪問支援事業所、障害児相談支援事業所
補助割合国1/2、都道府県・指定都市・中核市1/4、設置者1/4定額(原則国1/2相当)
設置者社会福祉法人・医療法人のほか、NPO法人や営利法人等が脚注に挙がる都道府県、指定都市、中核市、市区町村、社会福祉法人等。「等」の範囲は資料に書かれていない
整備の区分創設、増築、改築、大規模修繕等。土地の買収・整地は対象外通常整備(創設、大規模修繕、増築、増改築、改築、拡張など)と耐震化等整備
確認した資料の時点2025年3月の課長会議資料2024年3月の課長会議資料

厚生労働省の補助金は、都道府県や市町村の障害福祉計画に合致すれば、国庫補助を受けられます。協議の流れや設置者の負担分の資金は、別の記事で扱っています。

必ず補助されるわけではありません。資料は、協議額が予算額を大幅に上回る見込みだと書いています。予算の範囲内で、自治体が付けた優先順位に沿って採択されます。

こども家庭庁の交付金は、都道府県や市区町村が作る整備計画に沿った施設整備を進める制度です。2026年6月1日に公開された第2次の内示から、今年度も動いていることが分かります。交付要綱と最新年度の対象施設、障害児関係の申請窓口と協議の時期は、この記事では確認できていません。

関連する記事を挙げます。

申請前に事務局へ確かめたいこと

公募要領に書かれていない点は、申請の前に事務局へ問い合わせ、回答を記録に残します。

この記事で「書かれていない」と整理した点は、次のとおりです。制度ごとに窓口が違うので、分けて挙げます。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金と省力化投資補助金の事務局へ

  • 障害福祉サービスの報酬が、重複の考え方で診療報酬・介護報酬と同じ扱いになるか
  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金で、社会福祉法人が補助対象者になれるか
  • 障害福祉サービスへの進出が、新事業進出枠の趣旨に当たるか
  • 省力化の一般型で、利用者に有償で提供する設備・システム・サービス等の開発・改良を含む事業に、自分の計画が当たらないか

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、交付決定日より前に契約や発注をした経費が補助対象になりません。開設の日程と、交付決定の時期を並べて確かめてください。

都道府県・市区町村の窓口へ

  • 施設整備費補助金で、自分の整備が障害福祉計画に合致するか
  • 事業計画書を、いつまでに出すか
  • 交付決定の前に着工してよいか
  • 放デイなど障害児の施設で、次世代育成支援対策施設整備交付金の申請窓口はどこか、協議はいつ行うか
  • 次世代育成支援対策施設整備交付金で、株式会社が設置主体になれるか

問い合わせた日付、相手、質問、回答は、文書かメールで残してください。

実務ではこう組めます

問い合わせの記録は、制度ごとに1枚の表にまとめると、開設の日程と並べて見やすくなります。

表の列は、問い合わせた日付、窓口、質問、回答、回答の根拠にします。根拠には、公募要領の該当箇所か、回答のメールを書き込みます。

そのうえで開設までの予定表に、公募の締切、交付決定の見込み、発注と契約、着工を書き入れます。交付決定より前に発注や着工が入っていないかを、ここで確かめます。

回答が電話だけだったときは、同じ内容をメールで送り、確認の返信をもらっておくと、あとから説明しやすくなります。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

要点の整理
集計の対象
計画名に障害福祉の語を含む採択計画347件(計画名のある採択78,161件のうち。2026年10月2日取得・当社集計)
補助金別の件数
事業再構築補助金245件、持続化補助金64件、ものづくり補助金36件、省力化投資補助金1件、Go-Tech事業1件
回の偏り
事業再構築補助金245件のうち、第7回が108件、第8回が72件(合計180件。245件の約73%、全体347件の約52%)。割合は第7回が約1.4%、第8回が約1.1%(当社計算)
サービス種別が読める計画
193件。放課後等デイサービス・児童発達支援77件、就労支援(種別の記載なし)50件、グループホーム39件、就労継続支援B型20件、A型4件、生活介護2件、就労移行支援1件
事業再構築補助金
新規の応募受付は第13回(2025年3月26日締切)で終了
いま応募できる設備投資・新事業の補助金
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回(2026年10月30日18:00締切)、中小企業省力化投資補助金 一般型 第8回(2026年10月16日17:00締切)。持続化補助金 第20回は2026年12月15日17:00締切(2026年8月23日確認)
建物の整備費の補助
厚生労働省の社会福祉施設等施設整備費補助金(国1/2・都道府県等1/4・設置者1/4)。障害児の施設はこども家庭庁の次世代育成支援対策施設整備交付金(定額、原則国1/2相当)
データの限界
不採択の計画は載っていない。採択されやすさ、開設に至ったかどうかは分からない
制度基準日2026.10.04

よくある質問

Q. 障害福祉の事業で、国の補助金は使えますか?
A. 建物の整備費には使える制度があり、事業の転換や設備は確認が要ります。事業再構築補助金は終了しています。この記事で扱う設備投資・新事業の補助金で、いま応募できるのは2つです。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金と、中小企業省力化投資補助金の一般型です。どちらの公募要領にも「障害」の語は出てきません。持続化補助金は、対象外経費と法人格に条件があります。障害福祉の報酬の扱いは書かれていないので、申請の前に事務局へ確かめてください。建物の整備費は、厚生労働省の施設整備費補助金か、こども家庭庁の交付金の対象になりえます。
Q. 事業再構築補助金は今から申請できますか?
A. いいえ、新規の応募受付は終わっています。事務局のお知らせ欄は、第13回公募の電子申請受付を2025年3月26日に終了したと書いています。新規の応募受付は第13回で終了しました。当社集計の347件のうち245件は、この補助金の採択実績です。今から応募する場合は、別の補助金を探すことになります。
Q. 障害福祉の計画は採択されやすいですか?
A. 採択データだけでは判断できません。採択者データには不採択の計画が載っておらず、応募件数も採択率も分かりません。事業再構築補助金の計画名のある採択29,316件のうち、障害福祉の計画は245件で0.84%でした。この割合は、通りやすさを示す数字ではありません。
Q. 347件は障害福祉サービスの新規参入の件数ですか?
A. いいえ、新規参入の件数ではありません。347件は、計画名に障害福祉の語を含む採択の数です。サービス種別が計画名から読めるのは193件で、障害者の雇用や製品開発の計画も混ざっています。開設や新分野展開の語を含む計画は118件でした。
Q. 放課後等デイサービスの建物の整備に国の補助はありますか?
A. こども家庭庁の交付金で補助される仕組みがあります。厚生労働省の施設整備費補助金ではなく、次世代育成支援対策施設整備交付金です。2024年3月時点の資料では、対象施設の一覧に放課後等デイサービス事業所が入っており、補助割合は定額(原則国1/2相当)でした。民間の設置主体は「社会福祉法人等」としか書かれず、株式会社が含まれるかは資料から読み取れません。交付要綱と最新年度の対象施設は確認できていないので、都道府県や市区町村に確かめてください。
Q. グループホームの開設に使える国の補助はありますか?
A. 建物の整備なら、施設整備費補助金があります。厚生労働省の資料は、グループホームの創設などを自治体の整備計画に沿って進めるとしています。補助割合は、国が1/2、都道府県・指定都市・中核市が1/4、設置者が1/4です。設置者の脚注には、営利法人等も挙がっています。協議額が予算額を上回る見込みで、予算の範囲内で優先順位に沿って採択されるため、必ず補助されるわけではありません。グループホーム向けの家賃補助などは、この記事では確認していません。
この記事の根拠資料
1.
中小企業庁(データ元)、株式会社イチドキリ(集計)
検索ページの記載と当社集計ファイル(全347件)を確認。データ取得日は2026年10月2日・2026年10月04日確認
2.
事業再構築補助金事務局
2025年1月10日付と2025年3月26日付の記載、第7回・第8回・第13回の採択結果公表日を確認・2026年10月04日確認
3.
事業再構築補助金事務局
表紙、p.10の※2、p.28の補助対象外となる事業⑭、p.37の補助対象外経費を確認・2026年10月04日確認
4.
事業再構築補助金事務局
表紙の公募期間とp.23の重複案件を確認・2026年10月04日確認
5.
事業再構築補助金事務局
表紙の公募期間とp.23の重複案件を確認・2026年10月04日確認
6.
独立行政法人中小企業基盤整備機構(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 事務局)
第1回の申請受付と締切、賃上げ等の要件、スケジュールの変更履歴、FAQ Q14(医療法人は対象外)を確認・2026年10月04日確認
7.
独立行政法人中小企業基盤整備機構
表紙、p.9の上限額、p.18〜21の補助対象者、p.22、p.27の補助対象外となる事業⑬を確認・2026年10月04日確認
8.
独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小企業省力化投資補助金 事務局)
第8回の申請受付開始日・締切・採択発表の予定を確認・2026年10月04日確認
9.
独立行政法人中小企業基盤整備機構
p.9の上限額・対象経費、p.14の補助対象外となる事業、p.15〜17の補助対象者を確認。第5回・第6回との書きぶりの違いも確認・2026年10月04日確認
10.
厚生労働省
社会福祉施設整備補助金の対象施設と費用負担を確認・2026年10月04日確認
11.
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部
p.49〜51、p.56〜57で補助内容・設置者・負担割合・手続・協議スケジュールを確認・2026年10月04日確認
12.
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課
公表日(2026年7月2日)を確認。添付PDFの中身は未読・2026年10月04日確認
13.
こども家庭庁 成育局 成育環境課長
p.98の事業概要(設置主体・補助割合・整備内容・対象施設)を確認・2026年10月04日確認
14.
こども家庭庁 支援局 障害児支援課
p.4で障害児支援体制の整備を次世代育成支援対策施設整備交付金で支援すると書かれていることを確認・2026年10月04日確認
15.
こども家庭庁
公開日(2026年6月1日)を確認。添付PDFの中身は未読・2026年10月04日確認
16.
小規模事業者持続化補助金事務局(商工会地区:株式会社ニューズベース/商工会議所地区:株式会社日本経営データ・センター)
既存記事の確認内容(P.4〜5の補助対象にならない者、P.18〜19の補助対象外経費)を引用。2026年08月23日確認で、2026年10月04日には再確認していない
最終確認:2026.10.04

この記事の更新履歴

2026.10.04初回公開
執筆・監修
徳永 崇志

徳永 崇志

現役の就労継続支援B型事業所運営者

埼玉県志木市で実際にB型事業所を運営しています。

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