就労継続支援B型
医療連携体制加算
(Ⅰ)〜(Ⅵ)単位数と算定条件
就労継続支援B型が算定する医療連携体制加算には(Ⅰ)から(Ⅵ)まで6つの区分があり、単位数はすべて「1日につき」で算定します。事業所が医療機関等と連携し、看護職員を訪問させて利用者に看護を行った場合などに評価される加算で、就労移行支援・就労継続支援A型でも同じ6区分を算定できます。単位数は(Ⅰ)32単位、(Ⅱ)63単位、(Ⅲ)125単位、(Ⅳ)は看護を受けた利用者数に応じて800・500・400単位、(Ⅴ)500単位、(Ⅵ)100単位です。
(Ⅰ)から(Ⅲ)は看護の提供時間、(Ⅳ)は看護を受けた人数で単位数が変わります。(Ⅴ)は看護職員が認定特定行為業務従事者に喀痰吸引等の指導を行った場合、(Ⅵ)は認定特定行為業務従事者が実際に喀痰吸引等を行った場合の加算で、対象も単位数も別です。看護職員1人の1回の訪問で加算の対象にできる利用者は、(Ⅰ)から(Ⅳ)は8人が上限です。(Ⅴ)(Ⅵ)には人数の限度の定めがありません。(Ⅳ)はイ〜ハ算定者、(Ⅵ)はイ〜ニ算定者には算定できません。短期入所には(Ⅶ)から(Ⅸ)まで独自の区分がありますが、B型が算定できるのは(Ⅰ)から(Ⅵ)までです。
算定するには、事業所が医療機関等とあらかじめ委託契約を結び、利用者ごとに主治医の指示を受け、その内容を書面で残す必要があります。看護の内容は個別支援計画等に記載し、主治医へ定期的に報告します。これは短期入所向けの基本ルールを、就労継続支援B型が準用する形で定められています。
目次
就労継続支援B型の医療連携体制加算は6区分、単位は「1日につき」
就労継続支援B型の医療連携体制加算には(Ⅰ)から(Ⅵ)まで6区分あり、単位はすべて「1日につき」です。
この加算は、事業所が医療機関等と連携し、看護職員を訪問させて利用者に看護を行った場合などに評価されます。就労継続支援B型のほか、就労移行支援や就労継続支援A型でも同じ6区分を算定できます。
「1回の看護提供につき単位が発生する」と説明している記事もあります。しかし告示の条文は、いずれの区分も一貫して「1日につき所定単位数を加算する」としています。訪問回数ではなく、1日を単位に算定すると押さえてください。
| 区分 | 単位数 | 算定単位 | 何を評価するか |
|---|---|---|---|
| (Ⅰ) | 32単位 | 1日につき | 1時間未満の看護 |
| (Ⅱ) | 63単位 | 1日につき | 1時間以上2時間未満の看護 |
| (Ⅲ) | 125単位 | 1日につき | 2時間以上の看護 |
| (Ⅳ) | 800/500/400単位 | 1日につき | 看護を受けた人数(1人/2人/3〜8人) |
| (Ⅴ) | 500単位 | 1日につき | 喀痰吸引等の指導(看護職員1人につき) |
| (Ⅵ) | 100単位 | 1日につき | 喀痰吸引等の実施 |
(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)は看護の提供時間で区分が変わる
(Ⅰ)から(Ⅲ)は、看護職員が利用者に行った看護の提供時間の長さで区分が決まります。
医療機関等と連携し、看護職員を事業所に訪問させて利用者に看護を行った場合に算定します。時間が長いほど単位数も上がります。
| 区分 | 看護の提供時間 | 単位数 |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 1時間未満 | 32単位 |
| (Ⅱ) | 1時間以上2時間未満 | 63単位 |
| (Ⅲ) | 2時間以上 | 125単位 |
(Ⅰ)には除外規定があります。特定基準該当生活介護または特定基準該当自立訓練(機能訓練)を提供する事業所は対象外です。(Ⅱ)にも同様の除外があります。
(Ⅳ)は看護を受けた人数で単位数が変わる
(Ⅳ)は、看護を受けた利用者の人数によって単位数そのものが変わります。
| 看護を受けた利用者数 | 単位数 |
|---|---|
| 1人 | 800単位 |
| 2人 | 500単位 |
| 3人以上8人以下 | 400単位 |
人数が増えるほど、1人あたりの単価は下がる仕組みです。
対象は「別に厚生労働大臣が定める者」と条文に書かれています。この文言の具体的な中身を定めた一次情報は、本記事の執筆時点で確認できていません。医療的ケア行為やスコアでの説明はせず、条文の文言のまま扱います。
(Ⅳ)には併給制限があります。(Ⅰ)から(Ⅲ)のいずれかを算定している利用者には算定できません。
就労継続支援B型 加算の要件・単位数 早見表
この記事で扱う加算について、区分ごとの単位数と要件を1枚の表にまとめています。
資料を見る →(Ⅴ)は指導、(Ⅵ)は実施で対象も単位も違う
(Ⅴ)と(Ⅵ)は、どちらも喀痰吸引等に関わる加算です。ただし対象も評価する行為も別です。
(Ⅴ)は、看護職員が認定特定行為業務従事者に喀痰吸引等の指導を行った場合の加算です。看護職員1人につき、1日500単位を算定します。
(Ⅵ)は、認定特定行為業務従事者が喀痰吸引等を実際に行った場合の加算です。1日100単位で、対象は喀痰吸引等が必要な利用者です。
(Ⅵ)には併給制限があります。(Ⅰ)から(Ⅳ)のいずれかを算定している利用者には算定できません。
1回の訪問で数えられるのは(Ⅰ)から(Ⅳ)の8人まで
(Ⅰ)から(Ⅳ)は、看護職員1人の1回の訪問で、加算の対象にできる利用者は8人が上限です。
告示の条文は、(Ⅰ)から(Ⅳ)まで各区分ごとに「1回の訪問につき8人の利用者を限度として」と定めています。(Ⅴ)(Ⅵ)の条文には、この人数の限度の文言がありません。短期入所向けの留意事項通知には、区分をまたいだ合算の限度規定もありますが、それがB型にそのまま及ぶかは、告示の条文だけでは確認できません。
併給できない組み合わせが2つあります。
- (Ⅳ)は、(Ⅰ)から(Ⅲ)のいずれかを算定している利用者には算定できません。
- (Ⅵ)は、(Ⅰ)から(Ⅳ)のいずれかを算定している利用者には算定できません。
算定するには委託契約・主治医の指示・記録が要る
算定するには、医療機関等との委託契約と、利用者ごとの主治医の指示を書面で残すことが必要です。
この手続きは、留意事項通知が短期入所向けに定めた基本ルールです。告示(第14の10)にはこの手続きに当たる条文はありません。就労継続支援B型はこの基本ルールを準用しており、留意事項通知は「(Ⅰ)から(Ⅷ)」を「(Ⅰ)から(Ⅵ)」に読み替えると明記しています。押さえておく手続きは4つあります。
- あらかじめ医療機関等と、医療連携体制加算に係る業務についての委託契約を結び、看護の提供等に必要な費用を医療機関に支払う。利用者ごとに主治医の指示を受け、その内容を書面で残す。主治医以外の医師の指示でよいのは、その医師が主治医と十分に情報共有し、必要な指示ができる場合に限られる
- 主治医の指示で受けた具体的な看護内容等を個別支援計画等に記載する。主治医に対しては、定期的に看護の提供状況等を報告する
- 看護職員の派遣は、同一法人内の他の施設に勤務する看護職員を活用してもよい。この場合も、他の事業所の配置基準を守ったうえで、医師の指示を受けて提供する
- 看護の提供または喀痰吸引等の指導に必要な衛生材料・医薬品等の費用は事業所が負担する。医薬品等が医療保険の算定対象になる場合は、適正な診療報酬を請求する
留意事項通知が明記しているのは、短期入所の基本ルール(㈠及び㈡)を準用することと、区分番号を(Ⅰ)から(Ⅵ)に読み替えることです。「指定短期入所事業所等」という文言自体をどう読み替えるかや、この4つの手続きをB型向けに書き下した条文は、本記事の執筆時点で確認できていません。
誤解しやすい点と、短期入所固有の(Ⅶ)(Ⅷ)(Ⅸ)は算定できないこと
誤解しやすい点が5つあり、短期入所固有の(Ⅶ)(Ⅷ)(Ⅸ)は就労継続支援B型では算定できません。
- 単位はすべて「1日につき」で、「1回の看護提供につき」ではありません
- (Ⅳ)は看護を受けた人数に応じて単位数そのものが変わり、利用者1人あたりの定額ではありません
- 「1回の訪問につき8人まで」の上限があるのは(Ⅰ)から(Ⅳ)だけで、(Ⅴ)(Ⅵ)の条文には人数の限度の定めがありません
- (Ⅴ)と(Ⅵ)は同じ加算ではありません。指導を評価するか、実施を評価するかで対象も単位数も異なります
- 短期入所には(Ⅶ)から(Ⅸ)まで独自の区分がありますが、就労継続支援B型ではこれらを算定できません
留意事項通知は、短期入所の規定を準用する際、「(Ⅰ)から(Ⅷ)」という文言を「(Ⅰ)から(Ⅵ)」に読み替えると定めています。B型が算定できるのは(Ⅰ)から(Ⅵ)までです。
| サービス | 算定できる区分 |
|---|---|
| 就労継続支援B型 | (Ⅰ)から(Ⅵ) |
| 就労移行支援 | (Ⅰ)から(Ⅵ) |
| 就労継続支援A型 | (Ⅰ)から(Ⅵ) |
| 短期入所 | (Ⅰ)から(Ⅸ) |
B型の(Ⅴ)(Ⅵ)は、短期入所の(Ⅶ)(Ⅷ)が番号を詰めて移ったものではなく、喀痰吸引等の指導・実施を評価するB型側の区分です。
関連する記事を挙げます。
- 就労継続支援B型事業所の収支構造 … 基本報酬と加算の位置づけ
- 就労継続支援B型の報酬単価はどう決まるか … 基本報酬の区分と単位数
- 福祉専門職員配置等加算 … B型の対象資格と単位数を区分ごとに整理
- 就労移行支援体制加算 … 前年度の就労定着者数で決まる加算
- 欠席時対応加算 … 利用中止の連絡があった場合の加算
- 令和8年度の処遇改善加算 … 医療連携体制加算以外の加算の例
- 単位数(令和8年6月1日時点)
- (Ⅰ)32単位/(Ⅱ)63単位/(Ⅲ)125単位/(Ⅳ)800・500・400単位(人数別)/(Ⅴ)500単位/(Ⅵ)100単位。すべて1日につき
- (Ⅰ)〜(Ⅲ)の算定条件
- 医療機関等との連携により看護職員が利用者に看護を行った時間の長さ(1時間未満/1時間以上2時間未満/2時間以上)
- (Ⅳ)の算定条件
- 「別に厚生労働大臣が定める者」に看護を行った場合。看護を受けた利用者数(1人/2人/3人以上8人以下)で単位数が変わる。(Ⅰ)〜(Ⅲ)算定者は対象外
- (Ⅴ)(Ⅵ)の違い
- (Ⅴ)は看護職員が認定特定行為業務従事者に喀痰吸引等の指導を行った場合(看護職員1人につき500単位)。(Ⅵ)は認定特定行為業務従事者が喀痰吸引等を実施した場合(100単位)。(Ⅵ)は(Ⅰ)〜(Ⅳ)算定者は対象外
- 1回の訪問の上限
- (Ⅰ)から(Ⅳ)は8人の利用者を限度に算定。(Ⅴ)(Ⅵ)には人数の限度の定めなし
- 算定するまでの手続き
- 医療機関等との委託契約・利用者ごとに主治医の指示を受け書面で残すこと・個別支援計画等への記載と定期報告・衛生材料等の費用負担(短期入所の基本ルールをB型が準用)
- B型で算定できる区分
- (Ⅰ)から(Ⅵ)まで。短期入所固有の(Ⅶ)(Ⅷ)(Ⅸ)は算定不可
- 制度基準日
- 令和8年6月1日時点
事業所数も定員も、都道府県でかなり違います。全国の就労継続支援B型は20,783事業所で、前回の公表から+874事業所でした(WAM NET 2026年3月31日時点)。自分の県の事業所数・定員・平均工賃は都道府県別データで確認できます。
47都道府県のデータを見る →よくある質問
自分の地域には、
どれくらい利用者候補がいる?
所在地をもとに、周辺人口・障害福祉事業所数・紹介元になる相談支援事業所の数などを簡易集計します。これから開設する方には出せる場所と参入余地を、すでに運営している方には商圏内の競合と紹介元の分布を、目的にあわせて整理します。
その場でダウンロードできる資料ではありません。いただいた内容をもとに1件ずつ作成し、2〜3営業日以内にメールでお送りします。
