現役の事業所運営者が書く、障害福祉の経営誌

サービス管理責任者が
きついと言われる理由と
辞めさせないための配置設計

最終更新制度基準日
執筆:福祉経営ナビ編集部
監修:徳永 崇志(現役の就労継続支援B型事業所運営者)
初回公開
結論

サービス管理責任者の負担が重くなる理由は、指定基準省令(平成18年厚生労働省令第171号)第58条が、利用者1人ごとにアセスメント(面接必須)、原案の作成、個別支援会議の開催、説明と文書による同意、利用者と相談支援事業者への交付、モニタリング、少なくとも6月に1回以上の見直しという一連の業務を義務づけており、しかも第11項により計画を変更するたびに第2項から第8項までをやり直させる構造になっているためです。加えて解釈通知は1人のサービス管理責任者が担当できる範囲を最大利用者60人までとしています。2026年8月時点で、この配置基準と計画作成の手続は令和8年度報酬改定でも変更されていません。経営者が減らせるのは、基礎研修修了者へのアセスメントと原案作成の分担(告示544号一ホ)、個別支援会議のテレビ電話装置等の活用(第58条第6項)、記録と交付の電磁化(第224条)、直接支援業務との兼務の整理の4つです。ただし兼務については、基準解釈通知の生活介護の項に、利用定員が20人未満である場合には兼務先の職務に係る勤務時間を常勤換算に算入できるという例外が置かれています。就労継続支援A型・B型にこの例外が及ぶかは通知の参照の連鎖から読み取る形になるため、自事業所の扱いは指定権者に確認してください。

業務が重くなる根拠
指定基準省令第58条第2項〜第11項(アセスメントから交付・モニタリングまでの一連の業務)
見直しの頻度
少なくとも6月に1回以上。計画を変更する場合は第2項〜第8項を準用(面接・会議・同意・交付をやり直す)
1人が担当できる範囲
最大利用者60人まで(基準解釈通知。共同生活援助等への当てはめは指定権者に確認)
抜けたときの損失
サービス管理責任者欠如減算は翌々月から利用者全員につき所定単位数の100分の70、5月以上で100分の50
分担できる業務
アセスメントから原案作成まで(省令第58条第2項〜第5項)は基礎研修修了者に行わせることができる
兼務と常勤換算
兼務先の常勤換算に算入できないのが原則。利用定員20人未満は算入可能とする例外が基準解釈通知の生活介護の項にある(定員規模の細分化による適用は不可。就労系への適用は指定権者に確認)
時点
令和8年4月1日時点。サービス管理責任者の配置基準と計画作成手続は令和8年度報酬改定で変更なし
制度基準日2026.04.01
根拠:厚生労働省「指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)」
目次

「きつい」の正体は条文に書いてある

サービス管理責任者の負担が重いのは、その人の段取りが悪いからではありません。指定基準省令第58条が、利用者1人ごとに踏むべき手順をすべて書いているからです。第1項は、管理者がサービス管理責任者に個別支援計画の作成に関する業務を担当させるものとすると定め、第2項から第11項までがその中身を並べています。

条項業務いつ行うか
第2項〜第4項アセスメント。利用者に面接して行い、面接の趣旨を説明して理解を得る作成時と変更時
第5項原案の作成。意向、総合的な支援の方針、課題、目標と達成時期、留意事項等を記載作成時と変更時
第6項個別支援会議の開催。利用者と担当者等を招集する。テレビ電話装置等の活用可作成時と変更時
第7項原案の説明と、文書による利用者の同意作成時と変更時
第8項利用者と指定特定相談支援事業者等への交付作成時と変更時
第9項・第10項モニタリング。定期的に面接し、定期的に結果を記録する。少なくとも6月に1回以上の見直し継続
第11項計画を変更する場合は第2項から第8項までを準用変更のつど

重いのは第11項です。計画を変更するたびに、面接からやり直して会議を開き、文書で同意を得て、また交付します。年2回の見直しで終わる仕事ではなく、利用者の状況が動けば動いた分だけ手順が増えます。定員40人の事業所なら、定期の見直しだけで年80件、そこに新規利用者の計画と途中の変更が乗ります。モニタリングの詳しい要件はモニタリングの運用で扱っています。

さらに第59条が別の業務を積みます。利用申込者について他の事業者への照会等により心身の状況や利用状況を把握すること、利用者が自立した日常生活を営めるか定期的に検討すること、他の従業者に対する技術指導と助言を行うことの3つです。作成した個別支援計画は、提供した日から5年間の保存義務があります(第75条第2項)。

担当の上限は60人。これが配置の設計値になる

基準解釈通知は、1人のサービス管理責任者が行える計画作成等の業務を最大利用者60人までとしています。配置基準もこの数字に沿っています。

サービス置くべきサービス管理責任者
療養介護・生活介護・自立訓練・就労移行支援・就労継続支援A型B型・就労定着支援利用者60人以下は1人以上、61人以上は1人に40人またはその端数を増すごとに1人を加えた数以上
共同生活援助(介護サービス包括型・日中サービス支援型・外部サービス利用型)利用者30人以下は1人以上、31人以上は1人に30人またはその端数を増すごとに1人を加えた数以上
自立生活援助常勤の場合は60人以下で1人以上、常勤でない場合は30人以下で1人以上

利用者の数は前年度の平均値で数えます。表の1行目に挙げたサービスでは、配置したサービス管理責任者のうち1人以上は常勤でなければなりません(宿泊型自立訓練を行う自立訓練(生活訓練)事業所で利用者の支援に支障がない場合を除きます)。一方、共同生活援助と自立生活援助の条文には、サービス管理責任者の常勤要件は置かれていません。共同生活援助の配置基準は30人単位なので、解釈通知の60人という数字をここにどう当てはめるかは通知の文面からは読み取れません。複数事業所の兼務を組む場合は指定権者に確認してください。

兼務については誤解が多いところです。解釈通知は、計画の作成と提供したサービスの客観的な評価という役割の客観性を担保する観点から、サービス管理責任者は原則として直接サービスの提供を行う生活支援員等とは異なる者でなければならないとしています。利用者へのサービス提供に支障がない場合は他の職務に従事できますが、そのとき兼務先の常勤換算に当該サービス管理責任者の勤務時間を算入することは原則としてできません。

ただし通知には例外が置かれています。生活介護の項は、この原則を示したうえで「当該指定生活介護事業所の利用定員が20人未満である場合には、当該他の職務に係る勤務時間を算入することが可能であること」と続け、さらに「この例外的な取扱いの適用を受けるため、定員規模を細分化することは認められない」と釘を刺しています。就労継続支援A型のサービス管理責任者の項は「指定療養介護及び指定生活介護の場合と同趣旨であるため、第四の1の(4)及び第五の1の(4)を参照されたい」とされ、B型の人員基準は省令第199条でA型の第186条を準用したうえで、通知でもA型の項を参照する構成になっています。この参照の連鎖をたどれば定員20人未満のA型・B型にも例外が及ぶと読めますが、20人未満という例外を明記しているのは生活介護の項です。自事業所に当てはまるかどうかは指定権者に確認してください。

定員が20人以上の事業所では、生活支援員が足りないからサービス管理責任者に入ってもらう、という運用は、人員基準上は原則として何も埋めていません。管理者との関係は管理者とサービス管理責任者の違いで整理しています。

1人抜けたときに事業所が失うもの

負担を放置した結果としてサービス管理責任者が辞めると、報酬に2種類の穴が空きます。

個別支援計画未作成減算サービス管理責任者欠如減算
減算の対象該当する利用者につき利用者の全員につき
始まる時期該当する月から欠如の翌々月から。翌月の末日までに満たせば減算しない
減算率3月未満は100分の70、連続3月以上は100分の505月未満は100分の70、連続5月以上は100分の50
終わる時期解消するに至った月の前月まで解消するに至った月まで

どちらも所定単位数、つまり各種加算がなされる前の単位数に乗じます。加算を含めた合計に乗じるのではありません。個別支援計画未作成減算は、計画書が存在していても、アセスメントから交付までの一連の業務が適切に行われていなければ対象になります。都道府県知事は遵守するよう指導し、従わない場合は特別な事情がある場合を除いて指定の取消しを検討するとされています。

なお、令和8年4月28日の第55回障害福祉サービス等報酬改定検討チームには、突発的で想定が困難な事象によりやむを得ない事情が生じて人員欠如が発生した場合に、公共職業安定所の活用等により職員の確保に取り組んでいる事業所について、1年に1回に限り3か月を超えない期間は減算を猶予するという取扱いが報告されています。ただし障害福祉分野の説明で挙げられているのは生活支援員や看護職員等で、サービス管理責任者が対象に含まれるかどうかも、いつから適用されるかも、この資料からは読み取れません。

経営者が減らせるのは4つ

手順の数は法令が決めているので減りません。減らせるのは1人に集まる量と、1件あたりの重さです。

第一に、業務の分担です。告示544号の一ホは、サービス管理責任者が配置されている事業所において、第58条第2項から第5項まで、つまりアセスメントから原案の作成までを基礎研修修了者に行わせることができるとしています。しかもそのサービス管理責任者に加えて基礎研修修了者を置くことで、置くべきサービス管理責任者の数に達したものとみなせます。基礎研修は実務経験者となる日まで2年以内の者も受講できるため、育成と負担分散を同時に進められます。要件の詳細はサービス管理責任者の資格要件にまとめています。

第二に、会議のやり方です。第58条第6項は個別支援会議をテレビ電話装置等を活用して行うことができると明記しています。令和6年度報酬改定で利用者本人の参加が原則になった分、日程調整の負担は増えました。関係者を1か所に集める前提を外すだけで、開催までの時間はかなり変わります。

第三に、記録です。第224条第1項は、この命令で書面によることが規定または想定されているものについて、書面に代えて電磁的記録により行うことができるとしています。第2項は交付、説明、同意、締結等について、相手方の承諾を得たうえで、相手方が利用者である場合は障害の特性に応じた適切な配慮をしつつ、電磁的方法によることができるとしています。5年間の保存義務がある書類を紙で回している事業所は、ここだけで作業時間が動きます。

第四に、兼務の整理です。ここは事業所の利用定員で結論が分かれます。定員20人以上の事業所では、サービス管理責任者が直接支援に入っている時間は兼務先の常勤換算に算入されないうえ、計画作成の客観性という観点でも原則から外れます。人員配置を見直す順番としては、直接支援からサービス管理責任者を外すことが先で、採用はその次になります。

一方、定員20人未満の事業所では、基準解釈通知の生活介護の項が兼務先の常勤換算への算入を認めています。この例外が使えるなら、兼務させた時間を職業指導員・生活支援員の員数として数えられるので、兼務を外すことが人員基準の面で得策とは限りません。ただし前の節に書いたとおり、就労継続支援A型・B型にこの例外が及ぶことは通知に直接書かれておらず、生活介護の項を参照する構成から読み取る形になります。定員を確認したうえで、指定権者がどう扱っているかを聞いてから判断してください。定員規模を細分化して例外の適用を受けることは通知が認めていません。なお、計画作成の客観性を担保するという原則のほうは、定員の大小にかかわらず残ります。採用の設計はサービス管理責任者の採用で扱います。

実務ではこう組めます

配置を見直すときは、事業所全体の年間の期限表を先に作っておくと、負荷が集中する月が見えます。利用者ごとに、直近の計画の作成日と同意日、次の見直し期限(作成から6月以内)、モニタリングの面接予定を1枚に並べる形です。第11項により変更のたびに面接から交付までをやり直すことになるので、変更が見込まれる利用者に印を付けておき、月ごとの件数が偏らないように見直し時期を分散させると、特定の月に業務が寄りません。そのうえで、アセスメントと原案作成のどこまでを基礎研修修了者に渡すかを決め、渡す範囲を書面にしておくと、担当が代わっても引き継げます。会議はテレビ電話装置等を使える相手と使えない相手を分けたうえで日程の取り方を変えると、調整の手数が減ります。ここまで決めたところで、1人あたりの担当利用者数が60人以内に収まっているかを確かめてください。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

今の時点で確定していないこと

令和9年度報酬改定に向けた検討は令和8年4月28日に始まり、令和8年6月から8月にかけて関係団体ヒアリングが行われている段階です。検討の進め方を示した資料では、ヒアリングの意見まとめと論点整理を経て、令和9年に改定案をとりまとめる日程が示されています。サービス管理責任者の配置基準や個別支援計画の手続について結論は出ていないため、現行の条文を前提に配置を組んでください。

指定基準は条例に委任されているため、記録の保存期間の起算点など、都道府県・指定都市・中核市の条例で国の省令と異なる定めが置かれていることがあります。年間の期限表を作る前に、所在地の自治体の条例と要綱を確認してください。なお、令和7年10月に始まった就労選択支援は、個別支援計画の作成を不要とし、サービス管理責任者の配置を求めない設計になっています。事業を広げるときは、この違いも配置計画に織り込めます。

よくある質問

Q. サービス管理責任者の業務量は、事業所の工夫で減らせますか?
A. 一部は減らせます。指定基準省令第58条が定めるアセスメント、個別支援会議、説明と文書同意、交付、モニタリングそのものは省略できませんが、告示544号一ホにより、アセスメントから原案作成まで(第58条第2項〜第5項)は基礎研修修了者に行わせることができます。個別支援会議は第58条第6項によりテレビ電話装置等を活用でき、記録の作成・保存は第224条第1項により電磁的記録で行えます。減らせるのは手順の重さであって、手順の数ではありません。
Q. サービス管理責任者に生活支援員を兼務させてもよいのですか?
A. 利用者へのサービス提供に支障がない場合に限り可能ですが、人員基準の面で意味があるかどうかは事業所の利用定員によって変わります。基準解釈通知は、計画の作成と提供したサービスの客観的な評価という役割の客観性を担保する観点から、サービス管理責任者は原則として直接サービスの提供を行う生活支援員等とは異なる者でなければならないとしています。そのうえで、兼務先の職務に係る常勤換算に当該サービス管理責任者の勤務時間を算入することは原則としてできないとしつつ、生活介護の項には「当該指定生活介護事業所の利用定員が20人未満である場合には、当該他の職務に係る勤務時間を算入することが可能であること」という例外を置き、この例外の適用を受けるために定員規模を細分化することは認められないとも明記しています。就労継続支援A型のサービス管理責任者の項はこの生活介護の項を参照する形になっており、B型の人員基準はA型の規定を準用しています。定員20人未満の就労系事業所で例外を使えるかどうかは、指定権者に確認してください。
Q. 1人のサービス管理責任者が何人まで担当できますか?
A. 基準解釈通知は最大利用者60人までとしています。配置基準も、療養介護・生活介護・自立訓練・就労移行支援・就労継続支援A型B型・就労定着支援では利用者60人以下で1人以上、61人以上は40人またはその端数を増すごとに1人を加えた数以上と定めています。共同生活援助は利用者30人以下で1人以上、31人以上は30人ごとに1人追加です。共同生活援助に60人という数字をどう当てはめるかは通知から読み取れないため、指定権者に確認してください。
Q. サービス管理責任者が退職すると、いつから減算になりますか?
A. 欠如が生じた月の翌々月からです。ただし翌月の末日において人員基準を満たすに至っている場合は減算されません。減算は利用者の全員について行われ、減算が適用される月から5月未満は所定単位数の100分の70、連続して5月以上になると100分の50です。所定単位数は各種加算がなされる前の単位数で、加算を含めた合計に乗じるものではありません。常勤や専従といった員数以外の要件を満たしていない場合も同じ扱いになります。
Q. 令和9年度の報酬改定でサービス管理責任者の負担は軽くなりますか?
A. 2026年8月16日時点では分かりません。令和9年度報酬改定に向けた検討は令和8年4月28日の第55回障害福祉サービス等報酬改定検討チームから始まり、令和8年6月から8月にかけて関係団体ヒアリングが行われている段階です。検討の進め方を示した資料では、ヒアリングの意見まとめと論点整理を経て令和9年に改定案をとりまとめる日程が示されており、サービス管理責任者の配置や個別支援計画に関する結論は出ていません。
この記事の根拠資料
1.
厚生労働省
2026年08月16日確認。第58条(計画の作成等)、第59条(責務)、第75条第2項(記録の5年保存)、第186条(就労継続支援A型の員数。第199条によりB型に準用)、第224条(電磁的記録等)の条文を確認
2.
厚生労働省
2026年08月16日確認。第四の1の(6)サービス管理責任者と他の職務との兼務について、第四の1の(7)管理者の専従、第五の1の(4)生活介護のサービス管理責任者(利用定員20人未満の場合の常勤換算算入の例外と、定員規模の細分化の禁止)、第十一の1の(2)就労継続支援A型、第十二の1就労継続支援B型の全文を確認
5.
厚生労働省
2026年08月16日確認。令和8年4月28日開催。障害福祉分野における人員基準欠如減算の特例的な取扱いの説明を確認
最終確認:2026.08.16

この記事の更新履歴

2026.08.16初回公開
執筆・監修
徳永 崇志

徳永 崇志

現役の就労継続支援B型事業所運営者

埼玉県志木市で実際にB型事業所を運営しています。

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