サービス管理責任者と管理者の違い
役割と資格要件はどこで分かれるのか
兼務はどこまで認められるか
サービス管理責任者と管理者は、指定基準の中で別々の条文に置かれた別の職です。サービス管理責任者は個別支援計画の作成を担当する職で、指定基準省令の人員基準(療養介護なら第50条第1項第4号)に員数が定められ、実務経験と研修の両方を満たした者しか就けません。一方の管理者は第51条に「専らその職務に従事する管理者を置かなければならない」と定められた職で、その責務は第66条の「従業者及び業務の管理その他の管理を一元的に行う」ことです。第51条には資格要件の定めがなく、研修の修了も求められていません(令和8年4月1日時点)。
兼務の幅は管理者のほうが広くなっています。管理者は第51条ただし書により、管理上支障がなければ同じ事業所の他の職務にも、他の事業所や施設等の職務にも従事できます。サービス管理責任者は、計画作成の客観性を担保する観点から原則として生活支援員等とは別の者とされ、兼務した場合はその勤務時間を兼務先の常勤換算に算入できません。ただし利用定員20人未満の事業所については、算入できる例外が基準解釈通知に置かれています。
- 根拠条文(サビ管)
- 指定基準省令 第50条第1項第4号ほか(員数)、第58条(計画作成)、第59条(責務)
- 根拠条文(管理者)
- 指定基準省令 第51条(配置・専従)、第66条(責務)
- 資格要件の有無
- サビ管のみ実務経験要件と研修要件あり。管理者は第51条に定めなし
- 管理者の兼務
- 管理業務に支障がなければ、同一事業所の他職務も他事業所の管理者・サビ管・従業者も可
- サビ管の兼務
- 原則は直接支援職員と別の者。支障がなければ他職務に従事できるが常勤換算には算入不可
- 常勤換算の例外
- 利用定員20人未満の事業所は、兼務先の常勤換算に当該勤務時間を算入できる
目次
条文の置かれ方が違う
両者の違いは、指定基準省令のどこに書かれているかを見ると整理しやすくなります。サービス管理責任者は人員基準の中に員数まで定められた職種で、業務内容は第58条(個別支援計画の作成等)と第59条(責務)に書かれています。第58条第1項が、管理者はサービス管理責任者に個別支援計画の作成に関する業務を担当させるものとすると定めているとおり、計画作成を担当させるのが管理者、実際に担当するのがサービス管理責任者という関係です。
管理者は第51条に単独で置かれ、責務は第66条にあります。「従業者及び業務の管理その他の管理を一元的に行わなければならない」ことと、「従業者にこの章の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行う」ことの2つで、個別支援計画そのものを作る職ではありません。
| サービス管理責任者 | 管理者 | |
|---|---|---|
| 配置の根拠 | 第50条第1項第4号ほか(サービスごとに規定) | 第51条(各サービスへ準用) |
| 員数 | 利用者60人以下で1人以上、61人以上は40人ごとに1人追加(生活介護・就労系等) | 事業所ごとに1人 |
| 責務の条文 | 第59条 | 第66条 |
| 主な業務 | アセスメント、個別支援計画の作成、モニタリング、他の従業者への技術指導・助言 | 従業者及び業務の一元的な管理、従業者への指揮命令 |
| 常勤要件 | 配置する者のうち1人以上は常勤 | 定めなし(共同生活援助と居宅介護は常勤が必要) |
| 資格要件 | 実務経験要件と研修要件の両方が必要 | 定めなし(療養介護は医師、共同生活援助は知識・経験が必要) |
資格要件があるのはサービス管理責任者だけ
サービス管理責任者になるには、実務経験要件と研修要件の両方を満たす必要があります。実務経験は3つのパターンがあり、相談支援業務と有資格者等の直接支援業務が通算5年以上、それ以外の直接支援業務が通算8年以上、または相談支援業務等が通算3年以上かつ国家資格等による業務が通算3年以上のいずれかです。研修は基礎研修を修了して実務を経てから実践研修に進み、その後は5年度ごとに更新研修を受け続けます。詳しくはサービス管理責任者の資格要件とサービス管理責任者研修で扱っています。
管理者にはこうした要件がありません。第51条は配置と専従について定めるだけで、資格にも研修にも触れていません。基準解釈通知が管理者の資格要件に言及しているのは療養介護だけで、事業所が病院であるため管理者は医師でなければならないとされています。共同生活援助は省令の側に定めがあり、第209条で常勤の管理者を置くことを求めたうえ、第2項で適切なサービスを提供するために必要な知識と経験を有する者であることを求めています。生活介護や就労継続支援A型・B型、就労移行支援には、こうした上乗せがありません。
ただし指定基準は条例に委任されているため、都道府県や指定都市が独自に要件を加えている場合があります。管理者の要件を人事計画に組み込む前に、指定権者の条例と手引を確認してください。
管理者の兼務は条文本体で認められている
第51条は本文で専従を求めたうえ、ただし書で、事業所の管理上支障がない場合には、その事業所の他の職務に従事させ、又はその事業所以外の事業所、施設等の職務に従事させることができると定めています。兼務の余地が通知ではなく省令の条文そのものに書かれている点が、サービス管理責任者との大きな違いです。
基準解釈通知は、この「支障がない場合」を2つに分けて説明しています。ひとつは同じ事業所のサービス管理責任者または従業者としての職務に従事する場合です。もうひとつが他の事業所や指定障害者支援施設等の管理者・サービス管理責任者・従業者を兼ねる場合で、こちらには条件が付いています。他の事業所の職務に従事する時間帯であっても、自分の事業所の利用者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握でき、職員と業務の一元的な管理・指揮命令を支障なく行うことができ、さらに事故発生時等の緊急時の対応についてあらかじめ流れを定めたうえで必要に応じて管理者自身が速やかに出勤できること、という3点です。距離の離れた事業所どうしの兼務は3点目で無理が出やすいため、指定申請の前に指定権者へ相談しておくのが確実です。
サービス管理責任者の兼務は常勤換算が論点になる
サービス管理責任者の兼務については、基準解釈通知が独立した項目を設けています。まず原則として、事業所の従業者は専従であり職種間の兼務は認められないこと、そしてサービス管理責任者は計画作成と評価の客観性を担保する必要があるため、直接サービスの提供を行う生活支援員等とは異なる者でなければならないことが示されています。そのうえで、利用者に対するサービス提供に支障がない場合は他の職務に従事できるとされ、この場合には兼務先の職務に係る常勤換算に当該サービス管理責任者の勤務時間を算入できないという扱いになります。ここが人件費に直結する部分です。サービス管理責任者を職業指導員として兼務させても、就労継続支援B型で必要な「常勤換算で利用者数を10で除した数以上」の職業指導員・生活支援員の員数には、その時間を数えられません。兼務させれば1人分浮くという計算にはならないわけです。
ただし例外があります。基準解釈通知の生活介護の項には、事業所の利用定員が20人未満である場合には兼務先の職務に係る勤務時間を常勤換算に算入することが可能である、と明記されています。この記載は就労移行支援と就労継続支援A型の項から参照され、就労継続支援B型はさらにA型の項を参照する構造になっているため、定員20人未満の就労系事業所にも同じ扱いが及びます。あわせて通知は、この例外の適用を受けるために定員規模を細分化することは認められないと釘を刺しています。なお、この例外そのものが書かれているのは生活介護の項であり、就労系サービスへは参照によって及ぶ形になっています。人件費の設計に関わる部分なので、実際に算入してよいかは指定権者に確認してください。
共同生活援助はさらに扱いが異なり、当該事業所に置かれる世話人または生活支援員のいずれかの職務との兼務は差し支えないとされています。ただし入居定員が20人以上である場合は、できる限り専従のサービス管理責任者を確保するよう努めることとされています。
| 兼務の形 | 可否 | 条件 |
|---|---|---|
| 管理者とサービス管理責任者(同一事業所) | 可 | 管理業務に支障がないこと |
| 管理者と他事業所の管理者・サビ管・従業者 | 可 | 適時適切な把握、一元的な管理・指揮命令、緊急時に速やかに出勤できること |
| サビ管と生活支援員・職業指導員(同一事業所) | 原則は別の者。支障がなければ可 | 兼務先の常勤換算に算入不可。利用定員20人未満は算入可 |
| サビ管と他事業所のサビ管 | 相手先が限定される | 利用者60人までの範囲で、宿泊型自立訓練・自立生活援助・共同生活援助3類型、または大規模事業所の追加配置分 |
| 共同生活援助のサビ管と世話人・生活支援員 | 可 | 入居定員20人以上はできる限り専従に努める |
他事業所のサービス管理責任者との兼務は相手が限られる
基準解釈通知は、1人のサービス管理責任者が最大利用者60人までの計画作成等の業務を行えることを前提に、その範囲内での他事業所との兼務を認めています。ただし相手先として挙げられているのは、指定宿泊型自立訓練事業所、指定自立生活援助事業所、共同生活援助の3類型に置くべきサービス管理責任者と、大規模な事業所において専従かつ常勤のサービス管理責任者1人に加えて配置すべきサービス管理責任者です。示されている例も、利用者20人の事業所のサービス管理責任者が利用者10人の宿泊型自立訓練事業所のサービス管理責任者を兼務する場合となっています。
通常規模の就労継続支援B型を2か所持っていて1人のサービス管理責任者に両方を担当させたいという形は、この例示の中にありません。多機能型として一体的に運営する場合には利用者数の合計で員数を判断する別の規定があるため、複数の事業を1人で回したいのであれば、兼務ではなく多機能型の枠組みで検討するほうが筋が通ります。
兼務は勤務形態一覧表の作り方まで含めて設計しておくと、指定申請でやり直しになりません。サービス管理責任者が生活支援員を兼ねる場合は常勤換算に算入できないのが原則ですから、一覧表の段階でサービス管理責任者として働く時間と生活支援員として働く時間を分けて書き、生活支援員側の常勤換算にサービス管理責任者の時間を含めない形にしておく必要があります。利用定員20人未満で算入の例外を使うのであれば、定員を細分化していないことも合わせて説明できるようにしておいてください。管理者が他事業所と兼務する場合は、緊急時にどちらの事業所へ何分で到着できるかと、その間の指揮命令を誰が代行するかを文書にしておくと、実地指導での説明が短く済みます。
※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。
就労選択支援は管理者だけを置く
令和7年10月から始まった就労選択支援は、この2つの職の関係が例外的な形になっています。個別支援計画の作成を不要としているため、サービス管理責任者の配置は求められていません。一方で管理者は必要で、指定基準省令第173条の4が第51条を準用しています。サービス管理責任者を探さなくてよい代わりに就労選択支援員の確保が要件になりますので、就労選択支援の全体像もあわせて確認してください。
なお、この記事は指定基準省令(令和7年10月1日施行の版)、基準解釈通知(令和6年3月29日改正の新旧対照表)、告示第544号(令和8年4月1日適用)に基づいています。人員基準は条例に委任されているため、最終的な判断は指定権者の条例と手引によります。
よくある質問
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