サービス管理責任者の資格要件
実務経験3ルートと研修の
修了要件を告示の条文から
サービス管理責任者に配置できるのは、実務経験要件と研修要件の両方を満たす者だけです。片方だけでは配置できません。根拠は平成18年厚生労働省告示第544号の一イです(令和8年4月1日適用の版)。
実務経験要件は3ルートあります。①相談支援業務と社会福祉主事任用資格者等による直接支援業務が通算5年以上。②資格のない者による直接支援業務が通算8年以上。③①②の業務が通算3年以上、かつ国家資格等に基づく業務が通算3年以上。いずれかに該当すれば「実務経験者」です。
研修体系は基礎研修・実践研修・更新研修の3段階です。研修要件として求められるのは、はじめの2つの修了です。まず相談支援従事者初任者研修(講義部分)とサービス管理責任者基礎研修、次に実践研修を修了します。実践研修の修了後は、5年度ごとに更新研修を修了し続けます。
- 満たすべき要件
- 実務経験要件と研修要件の両方(片方だけでは配置できない)
- 実務経験ルート①
- 相談支援業務+社会福祉主事任用資格者等による直接支援業務が通算5年以上
- 実務経験ルート②
- 社会福祉主事任用資格者等でない者による直接支援業務が通算8年以上
- 実務経験ルート③
- 上記①②の業務が通算3年以上、かつ国家資格等に基づく業務が通算3年以上
- 研修要件
- 相談支援従事者初任者研修(講義部分)11時間+基礎研修15時間+実践研修14.5時間の修了
- 更新
- 実践研修修了年度の翌年度を初年度とする5年度ごとの年度末までに更新研修13時間を修了
- 根拠
- 平成18年厚生労働省告示第544号 一イ(最終改正 令和8年3月31日、令和8年4月1日適用)
目次
要件は省令ではなく告示にある
サービス管理責任者に配置できるのは、実務経験の要件と研修の要件の両方を満たす者だけです。指定基準省令は「サービス管理を行う者として厚生労働大臣が定めるもの」と書いているだけです。中身を定めているのは平成18年厚生労働省告示第544号です。その一イが、(1)実務経験の要件と(2)研修の要件を並べて掲げています。
片方だけでは足りません。応募者が研修修了証を持っていても、実務経験の年数が足りなければ配置できません。経験年数が長くても、実践研修が済んでいなければ配置できません。
以下は障害福祉サービス側のサービス管理責任者の話です。児童発達支援管理責任者は、児童福祉法側の基準で別に定められています。同じ研修体系でも、要件の条文は異なります。
実務経験は3ルート。5年だけで判断しない
告示は、次の3つのいずれかに該当する者を「実務経験者」と呼んでいます。年数はいずれも通算です。
| ルート | 必要な期間 | 算入できる業務 |
|---|---|---|
| ① | 通算5年以上 | (一)相談支援業務と、(二)社会福祉主事任用資格者等が行う直接支援業務 |
| ② | 通算8年以上 | (三)社会福祉主事任用資格者等でない者が行う直接支援業務 |
| ③ | (一)〜(三)が通算3年以上、かつ(四)が通算3年以上 | 上記に加えて、(四)国家資格等に基づき当該資格に係る業務に従事した期間 |
採用の場面で誤りが起きやすいのは②と③です。「サビ管は実務経験5年」とだけ理解していると、要件を満たす応募者を要件外と判断してしまいます。無資格で長く直接支援に就いてきた職員や、看護師・栄養士として働いた期間を持つ応募者がそれに当たります。
(一)の相談支援業務は、日常生活を営むのに支障がある人の自立に関する相談に応じる業務です。助言・指導その他の支援を行います。対象となる勤務先は次のとおりです。
- 一般相談支援事業・特定相談支援事業・障害児相談支援事業・地域生活支援事業・居宅介護支援事業などの従事者
- 児童相談所・身体障害者更生相談所・知的障害者更生相談所・福祉事務所・発達障害者支援センター・高次脳機能障害者支援センターなどの従業者
- 障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターの従業者
- 特別支援学校の従業者
病院・診療所の従業者も対象です。ただしこちらだけは限定が付いています。社会福祉主事任用資格に該当すること、他の区分での従事期間が1年以上あることなどです。
(二)と(三)の分かれ目は、本人が「社会福祉主事任用資格者等」に当たるかどうかだけです。告示はこの語を次のような者と定義しています。
- 社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者
- 相談支援の業務に関する基礎的な研修の修了等により、必要な知識および技術を修得したと認められる者
- 保育士
- 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第43条第1項各号のいずれかに該当する者
このほかにも該当する区分があります。判定に迷えば指定権者に確認してください。
同じ職場で同じ支援をしていても、この該当性で必要年数が5年と8年に分かれます。
(四)の国家資格等は23あります。
- 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師
- 理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士、言語聴覚士、歯科衛生士
- あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師
- 社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理師
- 管理栄養士、栄養士
条文は「その資格に基づき当該資格に係る業務に従事した期間」と書いています。資格を持ったまま別の職種で働いていた期間は算入できません。
研修は4つ。修了証で確認する
研修要件は、基礎研修と実践研修を修了していることです。さらに実践研修の修了後は、5年度ごとに更新研修を修了し続けます。時間数は告示の別表に定められています。
| 研修 | 時間数 | 受講できる時期・位置づけ |
|---|---|---|
| 相談支援従事者初任者研修(講義部分) | 11時間 | 基礎研修とあわせて修了することで「基礎研修修了者」となる |
| サービス管理責任者基礎研修 | 講義7.5時間+演習7.5時間=15時間 | 実務経験者、または実務経験者となる日まで2年以内の者 |
| サービス管理責任者実践研修 | 14.5時間 | 基礎研修修了後、原則として通算2年以上の業務従事が必要 |
| サービス管理責任者更新研修 | 13時間 | 実践研修修了年度の翌年度を初年度とする5年度ごとの年度末まで |
基礎研修は実務経験の充足より2年早く受けられます。この点が採用と育成の計画に直結します。5年ルートなら経験3年、8年ルートなら6年に達した時点から受講対象になります。既存職員をサービス管理責任者に育てるなら、実務経験の満了を待ってから研修を探してはいけません。それでは2年を無駄にします。
実践研修の受講には、業務に従事した期間も必要です。原則は受講開始日前5年間で通算2年以上です。ただし通算6か月以上で受講できる例外があります。対象は、基礎研修の受講開始日にすでに実務経験者だった人が、修了後にアセスメントから個別支援計画の原案作成までの業務(指定基準第58条第2項から第5項)に従事した場合です。埼玉県のように、この例外を周知している自治体もあります。
なお、期日までに更新研修を修了しなかった実践研修修了者は基礎研修修了者とみなされます。改めて実践研修を修了するまで、サービス管理責任者として配置できません。実務上は退職と同じ影響が出ます。
欠員が出たときの2つの緩和
配置が途切れる場面には、2つの緩和が置かれています。どちらも告示544号にあります。
ひとつは一ホのみなしです。サービス管理責任者が配置されている事業所が対象になります。アセスメントから個別支援計画の原案作成までの業務を、基礎研修修了者に行わせることができます。そのサービス管理責任者に加えて基礎研修修了者を置けば、置くべき員数に達したものとみなせます。常勤配置が求められる場合は、そのサービス管理責任者が常勤であることが前提です。
もうひとつは一ヘのみなしです。やむを得ない事由により欠けた場合に、実務経験者を1年間に限り研修要件を満たすものとみなします。欠如発生日以前から在籍し、その時点で基礎研修を修了していた人なら、最長2年間まで延びます。延長は実践研修を修了するまでの間が限度です。
「やむを得ない事由」の範囲は、厚生労働省の審議会資料が説明しています。退職や病休など、事業者の責に帰さない事由により欠如した場合です。加えて、直ちに配置することが困難な場合であることも求めています。採用が間に合わないときの一般的な救済ではありません。
みなしの期間が切れると、人員基準を満たさない状態になります。報酬はサービス管理責任者欠如減算の対象です。要件を満たす人を採り、辞めさせない体制のほうが先になります。
- サービス管理責任者の採用 … 要件を満たす応募者の集め方
- サービス管理責任者の定着 … 辞めさせない体制のつくり方
応募書類が届いた時点で、確認の順番を決めておくと判断が速くなります。
第一に研修の修了証です。実践研修の修了証がなければ、実務経験がどれだけ長くても単独では配置できません。修了証には修了年月日が入ります。そこから更新研修の期限を先に計算しておくと、採用後の受講計画まで一度に決められます。期限は修了年度の翌年度を初年度とする5年度ごとの年度末です。
第二に実務経験です。職歴を勤務先の種別ごとに分けます。相談支援業務・直接支援業務・国家資格等に基づく業務のどれに当たるかを振り分けます。最後に3ルートのどれで満たすかを判定します。
第三に、直接支援業務の期間について本人が社会福祉主事任用資格者等に当たるかどうかを確認してください。ここが5年と8年の分かれ目です。
判定に迷う職歴が1件でもあれば、雇用条件を決める前に指定権者に照会してください。
※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。
自治体に確認すべきこと
告示は「期間」としか定めていません。1年としてカウントするための従事日数や勤務形態の扱いは、条文にありません。
研修を実施するのは都道府県です。受講申込の際には、実務経験証明書の提出が求められます。群馬県のように、様式と提出先を指定している例があります。この段階で実務経験が要件に足りないと判断されると、受講できません。
実務経験の判定は、最終的に指定権者の判断になります。様式と記載要領は、必ず所在地の自治体のものを使ってください。
指定基準は条例に委任されています。都道府県・指定都市・中核市の条例で上乗せがある可能性もあります。配置の可否は採用の可否に直結します。告示の条文で当たりをつけ、最後は指定権者に確認するのが安全です。
よくある質問
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どれくらい利用者候補がいる?
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