就労選択支援はいつから?
B型は2025年10月、A型は2027年4月
施行スケジュールと事業所の準備
就労選択支援は2025年(令和7年)10月1日に施行されました。同日以降、新たに就労継続支援B型を利用する意向がある人は、原則として先に就労選択支援を利用することになっています。2027年(令和9年)4月以降は、新たに就労継続支援A型を利用する場合と、標準利用期間を超えて就労移行支援を利用する場合も対象とする予定が通知で示されていますが、2026年8月16日に確認した時点では、その詳細な取扱いを示す通知はまだ出ていません。
「必須」になるのは事業所の開設義務ではなく、利用者がB型の対象者要件を満たすための条件です。就労選択支援事業所を新たに開く義務は、どの事業者にもありません。
- 施行日
- 2025年10月1日(令和7年10月1日)
- B型を新たに利用する人
- 2025年10月1日から、就労選択支援の事前利用が原則
- A型・就労移行支援
- 2027年4月(令和9年4月)以降に対象を広げる予定(詳細は未提示)
- 就労選択支援員の経過措置
- 2028年3月末(令和9年度末)まで基礎的研修等の修了者をみなし配置できる
- 義務の向き
- 事業所への開設義務ではなく、B型の利用対象者の要件
目次
制度が動き出したのは2025年10月1日
就労選択支援は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律(令和4年法律第104号)の施行にともなって創設された障害福祉サービスです。指定基準を定めた省令と報酬告示が2025年(令和7年)10月1日から施行され、同じ日に制度が動き出しました。
創設の趣旨は、厚生労働省の課長通知の冒頭に書かれています。障害者本人が就労先・働き方についてより良い選択ができるよう、就労アセスメントの手法を活用して、本人の希望、就労能力や適性等に合った選択を支援するものだ、という説明です。事業所の側から見ると、これまで就労移行支援事業所などが片手間で担ってきた就労アセスメントを、独立した一つのサービスとして切り出したものだと捉えると分かりやすいと思います。制度そのものの中身は就労選択支援とはで詳しく扱っています。
施行スケジュールと事業所側で発生すること
段階施行の年次を並べると次のようになります。2027年4月以降の行だけは、通知に「予定」と書かれている段階です。
| 時期 | 対象・制度上の変化 | 事業所側で発生すること |
|---|---|---|
| 2025年10月1日(令和7年10月1日) | 制度施行。新たに就労継続支援B型を利用する意向がある人は、原則として先に就労選択支援を利用する | B型は新規の利用相談で、就労選択支援事業者によるアセスメント済みかを確認する運用に切り替える |
| 2025年10月〜2027年3月(令和7年10月〜令和9年3月) | 通知上、この期間の就労選択支援は就労継続支援B型を利用する人が対象 | 就労選択支援に参入する事業者は指定申請と支援員の確保を進める |
| 2027年4月1日(令和9年4月1日)以降・予定 | 新たに就労継続支援A型を利用する場合と、標準利用期間を超えて就労移行支援を利用する場合も、アセスメントを受けた人が対象になる予定 | A型は新規受入れの手順、就労移行支援は標準利用期間を超えるときの更新手順を見直す |
| 2028年3月31日(令和9年度末)まで | 就労選択支援員の経過措置期間 | 基礎的研修またはこれと同等以上の研修の修了者を就労選択支援員とみなして配置できる |
| 2028年4月1日(令和10年4月1日)以降 | 経過措置の終了 | 就労選択支援員養成研修の修了者を確保しておく必要がある |
2025年10月からの「必須」は誰にかかっているのか
ここを取り違えると準備の方向を間違えます。就労選択支援の事業所を開設する義務は、どの事業者にもありません。必須にあたるのは利用者側の要件です。通知は、就労継続支援B型の利用対象が「就労選択支援事業者によるアセスメントにより、就労面に係る課題等の把握が行われている者」になったことを受けて、新たに就労継続支援B型を利用する意向がある場合は就労選択支援を予め利用すること、と書いています。
この原則には除外があります。50歳に達している人、障害基礎年金1級受給者、就労経験があり年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難になった人などは、就労選択支援事業者のアセスメントを受けなくてもB型を利用できます。さらに、最も近い就労選択支援事業所であっても通所することが困難な場合や、利用可能な事業所数が少なく待機期間が生じる場合には、従来どおり就労移行支援事業所等による就労アセスメントを経たB型の利用が認められます。誰がどちらに当たるかは就労選択支援の対象者で整理しています。
B型で新規の利用相談を受けたときは、支給決定の話に入る前に3点を確認しておくと手戻りがありません。就労選択支援事業者によるアセスメントを受けているか、受けているならその実施日はいつか、受けていない場合は除外事由(50歳以上・障害基礎年金1級・年齢や体力の面で一般企業への雇用が困難になった就労経験者)に当たるか、の3点です。
実施日を確認するのは、通知でアセスメントは原則1年以内に実施されたものを活用することとされているためです。1年を超えていれば改めて実施が必要になります。また、就労選択支援の支給決定期間は原則1か月とされているので、アセスメント未了の人を受け入れる場合は、B型の利用開始までに最低でも1か月前後の助走期間が要ると見て日程を逆算し、相談支援専門員と早い段階で共有しておくことになります。
※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。
2027年4月に何が広がるのか
通知には、令和9年4月以降は新たに就労継続支援A型を利用する場合や標準利用期間を超えて就労移行支援を利用する場合についても、就労選択支援事業所によるアセスメントが行われている者を対象とする予定だ、と書かれています。ただし続けて、令和9年4月以降の取扱いについては改めて示す、とも書かれています。2026年8月16日に厚生労働省の掲載ページと自治体の案内を確認した限りでは、その「改めて示す」通知はまだ出ていません。
したがって、A型や就労移行支援を運営している事業所が今の時点でできるのは、2027年4月という時期を前提に受入れ手順の見直しを検討しておくところまでです。除外事由や代替措置がB型と同じ形で置かれるかどうかは、続報を待つことになります。
参入を考えるなら期限は2028年3月末
就労選択支援を自分の事業所で実施する側に回るかどうかを考えている場合、効いてくるのは支援員の経過措置です。就労選択支援員は就労選択支援員養成研修の修了が要件ですが、令和9年度末までは経過措置として、基礎的研修またはこれと同等以上の研修を修了した人を就労選択支援員とみなすことができます。養成研修の受講要件についても、令和9年度末までは同等以上の研修の修了者が受講できるという緩和が置かれています。
裏を返すと、2028年3月末を過ぎれば、みなし配置は使えなくなります。厚生労働省は令和8年度の就労選択支援員養成研修を実施しており、受講の申込みも同省のフォームで受け付けています。参入の可能性があるなら、経過措置の残り期間を見ながら受講計画を立てておく段階です。研修の詳細は就労選択支援員養成研修に、実施主体の要件や参入判断は就労選択支援はどこがやるのかにまとめています。
よくある質問
自分の地域には、
どれくらい利用者候補がいる?
所在地をもとに、周辺人口・障害福祉事業所数・紹介元になる相談支援事業所の数などを簡易集計します。これから開設する方には出せる場所と参入余地を、すでに運営している方には商圏内の競合と紹介元の分布を、目的にあわせて整理します。
その場でダウンロードできる資料ではありません。いただいた内容をもとに1件ずつ作成し、2〜3営業日以内にメールでお送りします。
