現役の事業所運営者が書く、障害福祉の経営誌

就労選択支援員養成研修の
受講要件と令和8年度の日程
職員を出すまでの段取り

最終更新制度基準日
執筆:福祉経営ナビ編集部
監修:徳永 崇志(現役の就労継続支援B型事業所運営者)
初回公開
結論

就労選択支援員養成研修は、令和8年度も都道府県ではなく国が主体となって実施しています。受講料は無料で、オンデマンド講義6時間と対面演習5時間の合計11時間を修了する必要があります。対面演習の会場は東京と大阪の2か所だけで、それぞれ年10回、各回の定員は100人程度です(令和8年5月15日付け厚生労働省事務連絡時点)。

受講できるのは、障害者の就労支援分野で通算5年以上の実務経験がある職員か、基礎的研修を修了した職員です。就労継続支援B型の管理者・職業指導員・生活支援員・サービス管理責任者として働いた期間も5年に算入できるため、自法人の在職者から候補を出せる場合が多いはずです。

実施主体
国(厚生労働省)。会場は東京・大阪の2か所のみ
受講料
無料(交通費・宿泊費・通信費は受講者負担)
研修時間
オンデマンド講義6時間+対面演習5時間=計11時間
受講要件
基礎的研修の修了、または就労支援分野で通算5年以上の実務
令和8年度の回数
東京10回・大阪10回(各回の定員は100人予定)
制度基準日2026.05.15
根拠:厚生労働省「令和8年度就労選択支援員養成研修の実施について」(令和8年5月15日事務連絡)
目次

研修を実施しているのは国で、都道府県ではありません

就労選択支援員養成研修について調べると都道府県のホームページが多く出てきますが、それらは国の研修を管内に周知しているだけで、都道府県が自前で開催しているわけではありません。厚生労働省が令和8年5月15日に都道府県・指定都市・中核市の障害保健福祉主管課長あてに出した事務連絡には、令和8年度も「国が主体となり就労選択支援員養成研修を実施します」と書かれています。大阪府のように、この事務連絡とチラシをそのまま掲載している自治体が実際にあります。

つまり、自治体からの募集案内を待っていても始まりません。申込は厚生労働省の専用サイトから直接行います。

受講要件は「通算5年の実務」か「基礎的研修の修了」のどちらか

要件告示では、一定の職種として障害者の就労に係る支援を直接行う業務等に従事した期間が通算5年以上あること、または基礎的研修を修了していることと定められています。両方は必要なく、どちらか一方で構いません。

まず確認したいのは、5年の実務でカウントできる職種の範囲です。通知が挙げているのは次のとおりで、就労継続支援B型の職員が広く含まれます。

区分5年に算入できる職種
就労移行支援・就労継続支援・就労定着支援管理者、職業指導員、生活支援員、就労支援員、サービス管理責任者、就労定着支援員
就労選択支援経過措置で養成研修修了者とみなされた従事者
雇用側の支援機関職場適応援助者(企業在籍型を除く)、障害者職業カウンセラー、障害者就業・生活支援センターの主任就業支援担当者・就業支援担当者・生活支援担当職員
その他自治体が条例等に基づき行う就労支援事業の従事者、障害者能力開発助成金による訓練機関の訓練担当者・就職支援責任者

自法人にB型やA型を長く続けている職員がいるなら、その在職期間だけで要件を満たしている可能性があります。まず在職者の職歴を洗い出すところから始めるほうが早く進みます。

5年に届かない職員を出したい場合は、先に基礎的研修を修了させる道があります。基礎的研修はJEEDが実施していて、全14科目・合計900分です。内訳はオンデマンド研修が9科目560分、地域障害者職業センターで受ける集合研修が5科目340分に分かれています。受講料は無料ですが、オンデマンド研修の通信費と、集合研修の会場までの交通費や宿泊費は受講者の負担になります。養成研修とは別に申込と日程調整が必要になる点にも注意してください。

なお令和9年度末までは経過措置があり、就業支援基礎研修(就労支援員対応型)、訪問型職場適応援助者養成研修、サービス管理責任者研修専門コース別研修(就労支援コース)、相談支援従事者研修専門コース別研修(就労支援コース)などの修了者も養成研修を受講できます。

研修は11時間。オンデマンド6時間と対面演習5時間に分かれます

カリキュラムは告示で合計11時間以上と定められていて、令和8年度の国の研修はちょうど11時間の構成です。動画を見るだけでは終わらず、対面演習に出席しなければ修了になりません。

科目オンデマンド講義対面演習
1. 就労選択支援の目的と役割60分
2. 就労アセスメントの目的と手法90分
3. ニーズアセスメントの手法60分60分
4. アセスメントシートの具体的活用60分120分
5. 関係機関との連携60分
6. アセスメント情報の整理と活用30分120分
合計6時間5時間

受講料は無料ですが、対面演習の会場は東京と大阪の2か所だけなので、それ以外の地域から出す場合は交通費と宿泊費が実費でかかります。

オンデマンド講義には約3週間の視聴期間が設定されていて、すべての確認テストで満点を取ることが修了の要件になっています。期間内に視聴が確認できないと対面演習に参加できません。

令和8年度の日程と申込期間

東京・大阪ともに年10回で、各回の定員は100人程度です。申込は各回の申込開始日10時から終了日17時までの受付で、2026年8月16日時点でまだ申込が先の回は次のとおりです。

会場対面演習実施日申込開始申込終了
東京(戸山サンライズ)令和8年10月9日・10日令和8年8月17日令和8年8月31日
大阪(KITENA新大阪)令和8年10月30日・31日令和8年9月9日令和8年9月25日
東京(戸山サンライズ)令和8年12月21日・22日令和8年11月2日令和8年11月16日
大阪(KITENA新大阪)令和8年12月25日・26日令和8年11月6日令和8年11月20日
東京(戸山サンライズ)令和9年2月15日・16日令和8年12月24日令和9年1月12日
大阪(KITENA新大阪)令和9年2月26日・27日令和9年1月6日令和9年1月20日

東京と大阪のどちらで受講しても構わないとされているので、日程の都合で選んで問題ありません。年度内に確実に修了させたい職員がいるなら、まだ申込期間が残っている東京10月回が最も早い機会になります。

申し込めば受講できるとは限りません

この研修で見落としやすいのは、申込がそのまま受講決定にはならない点です。申込後に受講可否がメールで通知され、その通知は各回の申込期間の終了日から6営業日以内に届きます。受講不可になった場合は別の日程に再度申し込むことになり、可否の理由は問い合わせても回答されないと案内されています。

対面演習の当日は遅刻・早退・途中離席が一切認められず、その場合は未修了として申込からやり直しになります。受付は9時10分、終了は16時15分です。修了証は演習後2週間以内のアンケート回答と受講状況の精査を経て発行されます。

就労選択支援員養成研修で職員1人を修了させるまでの工程を、対面演習の実施日から逆算して並べた時間軸。申込は各回の申込開始日10時から終了日17時まで受け付ける。受講可否は申込期間の終了日から6営業日以内にメールで通知され、不可なら別の日程に再度申し込む。実質の締切は対面演習の約3週間前で、そこからオンデマンド講義6時間の視聴期間が始まる。確認テストは全て満点が要件で、視聴が確認できないと対面演習に参加できない。対面演習5時間は受付9時10分・終了16時15分、遅刻・早退・途中離席は不可で、その場合は未修了となり申込からやり直しになる。会場は東京・大阪の2か所、各回の定員は100人程度。修了証は演習後2週間以内のアンケート回答と受講状況の精査を経て発行される。令和9年度末(2028年3月31日)を過ぎるとみなしでの配置はできない。
図1対面演習日から逆算した受講の工程厚生労働省「令和8年度就労選択支援員養成研修のご案内」等をもとに作成
実務ではこう組めます

年度計画に落とすときは、対面演習の実施日ではなく、その約3週間前から始まるオンデマンド視聴期間から逆算して押さえておく必要があります。動画6時間分と確認テストを勤務時間内で消化させるのか別途手当を出すのかを先に決めておかないと、視聴が間に合わず対面演習に出られません。

対面演習の当日は途中離席が認められないため、半日ではなく丸一日シフトから外す前提で組んでおくほうが安全です。第1希望の回で受講不可になることもあるので、年度内に予備日を空けておくと確実です。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

配置のタイムリミットは令和9年度末です

就労選択支援の提供に当たる者は養成研修の修了者とされていますが、令和9年度末までは基礎的研修またはこれと同等以上の研修の修了者を修了者とみなす経過措置が置かれています。逆に言えば、2028年3月31日を過ぎるとみなしでの配置ができなくなります。

人員基準としては、就労選択支援員の総数が常勤換算方法で利用者数を15で除した数以上であることが求められています。1人未満の配置でも差し支えないとされていますが、適切な支援を提供できる体制であることが前提です。

参入を検討している段階であれば、就労選択支援はどこがやるのか就労選択支援はいつから始まるのかもあわせて確認しておくと、誰を研修に出すかの判断がしやすくなります。制度の全体像は就労選択支援とはにまとめています。

よくある質問

Q. 就労選択支援員養成研修は都道府県が実施しているのですか。
A. いいえ、令和8年度は国が主体となって実施しています。厚生労働省が令和8年5月15日に都道府県・指定都市・中核市あてに出した事務連絡で「国が主体となり就労選択支援員養成研修を実施します」と明記されており、申込も厚生労働省のサイト(sentaku-yousei.mhlw.go.jp)から直接行います。都道府県が独自に募集をかける形ではないため、自治体からの通知を待つのではなく国の申込サイトを直接見に行く必要があります。
Q. 基礎的研修を修了していないと受講できませんか。
A. いいえ、基礎的研修を修了していなくても、障害者の就労支援分野での実務経験が通算5年以上あれば受講できます。要件告示では「通算して5年以上であること又は基礎的研修を修了していること」と定められており、どちらか一方を満たせば足ります。加えて令和9年度末までの経過措置として、就業支援基礎研修(就労支援員対応型)や訪問型職場適応援助者養成研修など、基礎的研修と同等以上とされる研修の修了者も受講できます。
Q. 就労継続支援B型での勤務経験は5年の実務に算入できますか。
A. 算入できます。厚生労働省の通知では、就労移行支援・就労継続支援・就労定着支援の従事者として、指定基準に定める管理者、職業指導員、生活支援員、就労支援員、サービス管理責任者、就労定着支援員のいずれかで従事した期間を通算できるとされています。B型で管理者やサービス管理責任者を長く務めている職員は、それだけで受講要件を満たしている可能性があります。
Q. 申し込めば必ず受講できますか。
A. いいえ、申し込んでも受講できない場合があります。令和8年度の各回の定員は100人程度で、申込後に受講可否がメールで通知される仕組みです。通知は各回の申込期間の終了日から6営業日以内に届き、受講不可となった場合は別の日程に再度申し込む必要があります。可否の理由を問い合わせても回答されないと案内されているため、第1希望の回に落ちる前提で年度内の予備日を確保しておくほうが安全です。
Q. 対面演習を途中で抜けることはできますか。
A. できません。厚生労働省の案内では、対面演習について遅刻・早退・途中離席は一切認められず、その場合は未修了となって再度申込からやり直しになると明記されています。演習は9時10分の受付開始から16時15分の終了まで続くため、当日は丸一日シフトから外す前提で人員配置を組む必要があります。
Q. 令和9年度末を過ぎるとどうなりますか。
A. 令和9年度末(2028年3月31日)を過ぎると、基礎的研修などの修了だけでは就労選択支援員として配置できなくなります。要件告示では、就労選択支援の提供に当たる者は就労選択支援員養成研修の修了者とされたうえで、令和9年度末までに限り基礎的研修またはこれと同等以上の研修の修了者を修了者とみなす経過措置が置かれています。みなしで配置している事業所は、期限までに養成研修そのものを修了させておく必要があります。
この記事の根拠資料
2.
厚生労働省
2026年8月16日確認。カリキュラム・日程・定員・受講料の出典
3.
厚生労働省
2026年8月16日確認。大阪府ホームページ掲載分。実施主体の出典
5.
厚生労働省
令和7年9月30日。就労選択支援員の員数(常勤換算で利用者数÷15以上)の出典
7.
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)
2026年8月16日確認。「12.受講料」に受講料は無料と明記(通信費・交通費・宿泊費は受講者負担)
8.
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)
2026年8月16日確認。全14科目900分の内訳(オンデマンド9科目560分・集合研修5科目340分)の出典
9.
大阪府
2026年8月16日確認。都道府県が国の研修を周知している例
最終確認:2026.08.16

この記事の更新履歴

2026.08.16初回公開
執筆・監修
徳永 崇志

徳永 崇志

現役の就労継続支援B型事業所運営者

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