現役の事業所運営者が書く、障害福祉の経営誌

食事提供体制加算とは
1日30単位・低所得者等が対象
経過措置は令和9年3月末まで

最終更新|制度基準日
執筆:福祉経営ナビ編集部
監修:徳永 崇志(現役の就労継続支援B型事業所運営者)
結論

食事提供体制加算は、低所得者等に食事提供の体制を整えた事業所が、1日につき30単位を算定できる加算です。対象は、低所得者等であって就労継続支援B型計画等により食事の提供を行うこととなっている利用者(指定障害者支援施設に入所する者を除く)、又は低所得者等である基準該当就労継続支援B型の利用者です。定員規模による単位数の違いはなく、一律30単位です。都道府県知事又は市町村長への届出が必要です。

この加算は令和9年3月31日までの間の経過措置で、この期限は附則ではなく条文本文に直接書き込まれています。令和6年度改定で、管理栄養士等による献立確認・摂食量の記録・体重又はBMIの記録という3つの栄養面の要件が加わりました。出前や市販弁当の購入・提供は対象になりません。利用者が施設入所支援を利用している日も、補足給付が支給されるため算定できません。

根拠:厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号、令和8年6月1日適用版)
目次

単位数は1日30単位。対象は低所得者等に限られる

食事提供体制加算は、低所得者等に食事提供の体制を整えた事業所が、1日につき30単位を算定できる加算です。

対象になるのは、低所得者等であって就労継続支援B型計画等により食事の提供を行うこととなっている利用者です。指定障害者支援施設に入所する者は除かれます。低所得者等である基準該当就労継続支援B型の利用者も対象です。区分(イ・ロ・ハ等)はなく、単位数は一律30単位です。

「低所得者等」は、生活保護世帯や市町村民税非課税世帯だけを指す言葉ではありません。本人と同一世帯の者(特定支給決定障害者は配偶者のみ)の市町村民税所得割の合算額が28万円未満(特定支給決定障害者は16万円未満)である利用者まで、算入の対象に含まれます。

経過措置は令和9年3月31日まで。条文本文に明記されている

この加算は、令和9年3月31日までの間の経過措置です。恒久的な加算ではありません。

期限を定めているのは附則ではなく、条文本文そのものです。「次の(1)から(3)までのいずれにも適合する食事の提供を行った場合に、令和9年3月31日までの間、1日につき所定単位数を加算する」と、注の中に直接書き込まれています。この期限は、就労継続支援B型・生活介護・就労継続支援A型の3サービスで一致しています。

体制要件は施設内調理が原則。出前と市販弁当は対象外

体制要件は、事業所の調理員による食事提供、施設の責任のもとでの第三者委託等です。一定の条件を満たせば、施設外調理・搬入(クックチル等)でも算定できます。

告示は、事業所に従事する調理員による食事の提供であること、又は調理業務を第三者に委託していること等、事業所自身の責任において食事提供の体制を整えていることを求めています。委託していても、責任の所在は事業所側にあります。

施設外で調理したものを提供する場合も、方法が限られます。次のいずれかの調理方法で、かつ運搬手段等について衛生上適切な措置がある場合に限り認められます。

  • クックチル
  • クックフリーズ
  • 真空調理(真空パック)
  • クックサーブ

出前の方法や市販の弁当を購入して提供する方法は、加算の対象になりません。

項目可否・内容
施設内調理室での調理原則の方法
調理業務の第三者委託施設の最終的責任のもとであれば可
施設外調理・搬入クックチル・クックフリーズ・真空調理(真空パック)・クックサーブに限り、衛生上適切な運搬手段等の措置があれば可
出前の利用加算の対象外
市販弁当の購入・提供加算の対象外
関連する実務資料
早見表

就労継続支援B型 加算の要件・単位数 早見表

この記事で扱う加算について、区分ごとの単位数と要件を1枚の表にまとめています。

資料を見る →

令和6年度改定で栄養面の3要件が加わった

令和6年度改定で、栄養面に配慮した3つの要件が加わりました。

要件は3つあります。管理栄養士又は栄養士が食事の提供に係る献立を確認していること。食事の提供を行った場合に利用者ごとの摂食量を記録していること。利用者ごとの体重又はBMIをおおむね6月に1回記録していること。この3つすべてに適合しなければ算定できません。

No.要件運用の補足
(1)管理栄養士又は栄養士による献立確認常勤・専従は不要。法人内外(栄養ケア・ステーション、保健所等)の管理栄養士等でも可。確認頻度は年に1回以上
(2)利用者ごとの摂食量の記録目視や自己申告等による記録で足りる。「完食」「全体の1/2」等の記載でよい。ただし食事を提供した日は必ず記録する
(3)利用者ごとの体重又はBMIの記録(おおむね6月に1回)身長測定が困難な利用者は体重のみで可。利用者本人の意向により、例外的に把握しないことも認められる

管理栄養士等について、常勤・専従の配置は求められていません。外部の栄養ケア・ステーションや保健所等の管理栄養士等が、献立の確認にかかわる形でもよいとされています。作成済みの献立表を事後的に確認する方法でも要件を満たします。

摂食量の記録は、正確な計測までは求められていません。負担とのバランスを考慮したうえで、できるだけ正確な記録が望ましいとされています。ただし、食事を提供した日については必ず記録しなければなりません。体重又はBMIの記録は、利用者が体重を知られたくないと意向を示した場合、意向確認を記録に残せば、例外的に把握しなくても要件を満たします。

生活介護・A型は同じ30単位。施設入所支援には加算自体が無い

生活介護・就労継続支援A型は、B型と同じ30単位・同じ期限で算定できます。施設入所支援には、この加算がありません。

サービス単位数経過措置の期限根拠条文
就労継続支援B型30単位令和9年3月31日までの間告示第14の7
生活介護30単位令和9年3月31日までの間告示第6の10
就労継続支援A型30単位令和9年3月31日までの間告示第12の7
施設入所支援対象外(項目自体が存在しない)―告示第9の加算一覧に該当項目なし

単位数・経過措置の期限・栄養面の3要件は、B型・生活介護・A型の3サービスで完全に一致しています。

施設入所支援の加算項目一覧(告示第9)には、食事提供体制加算という項目名がありません。かわりに、栄養マネジメント加算(12単位)・経口移行加算(28単位)・経口維持加算・療養食加算(23単位)という別体系の栄養関連加算があります。利用者が施設入所支援を利用している日は、補足給付が支給されるため、B型等の食事提供体制加算は算定できません。

届出が必要。自動算定はされない

この加算は自動的に算定されず、都道府県知事又は市町村長への届出が必要です。

告示は、食事提供のための体制を整えているものとして、都道府県知事又は市町村長に対して障害保健福祉部長が定める様式による届出を行った事業所において算定できると定めています。具体的な届出様式や提出時期は、一次資料の確認範囲では特定できていません。

体制を見直す前に、次を確かめてください。

  • 対象になる利用者(低所得者等)が、自事業所の利用者にどれだけいるか
  • 調理員による提供か第三者委託か、体制をどちらにするか
  • 施設外調理を使う場合、方法と運搬手段の衛生上の措置が要件を満たすか
  • 管理栄養士等による献立確認・摂食量の記録・体重又はBMIの記録の3要件を、記録として残せる体制になっているか
実務ではこう組めます

3つの要件は、献立確認の頻度を先に固定してから、記録の様式を組み立てる順番にすると整理しやすくなります。外部の管理栄養士等と連携するときは、サイクルメニュー単位で年1回以上の確認を依頼する運用にできます。献立の作成時点から関わってもらえない場合は、作成済みの献立表を渡して事後確認してもらう形でも要件を満たします。

摂食量の記録は、食事の提供記録と同じ様式に並べておくと運用しやすくなります。食事を提供した日は必ず記録するという要求があるため、記録欄を空欄のまま残さない様式にしておく必要があります。提供日と記録日をつき合わせる欄を用意しておくと、書き忘れに気づきやすくなります。

体重を知られたくないという意向が本人から示された場合は、その申し出があった事実を個別支援記録等に残す必要があります。意向を確認した日付と確認した職員が分かる形で記録しておくと、あとから経緯をたどりやすくなります。この記録も、体重・BMIの記録と同じ個別支援記録の様式にまとめておくと、管理の窓口を1つにできます。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

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要点の整理
単位数
30単位(1日につき、令和8年6月1日時点)
経過措置の期限
令和9年3月31日までの間(附則ではなく条文本文に明記)
対象利用者
低所得者等であって就労継続支援B型計画等により食事の提供を行うこととなっている利用者(指定障害者支援施設に入所する者を除く)、又は低所得者等である基準該当就労継続支援B型の利用者
体制要件
事業所の調理員による食事提供、施設の責任のもとでの第三者への調理業務委託等。一定の条件を満たす施設外調理・搬入(クックチル等)も可。出前・市販弁当の購入提供は対象外
栄養面の要件(令和6年度改定で追加)
(1)管理栄養士又は栄養士による献立確認(2)利用者ごとの摂食量の記録(3)利用者ごとの体重又はBMIをおおむね6月に1回記録
併給の制限
利用者が施設入所支援を利用している日は算定できない(補足給付が支給されるため)。施設入所支援自体にはこの加算の項目が無い
届出
都道府県知事又は市町村長に対し、障害保健福祉部長が定める様式による届出を行った事業所が対象
制度基準日2026.06.01

よくある質問

Q. 食事提供体制加算はいくら算定できますか?
A. 1日につき30単位です。低所得者等に食事提供の体制を整えた事業所が、令和9年3月31日までの間の経過措置として算定できます。定員規模による区分はありません。
Q. 出前や市販の弁当を利用者に提供しても算定できますか?
A. いいえ、出前や市販弁当の購入・提供は加算の対象になりません。留意事項通知が明記しています。施設内調理室での調理か、施設の責任のもとでの第三者委託、又は一定の条件を満たす施設外調理が原則です。
Q. 施設入所支援を利用している利用者にも算定できますか?
A. いいえ、施設入所支援を利用している日は算定できません。利用者に補足給付が支給されているためです。施設入所支援の加算項目一覧には、この加算自体が存在しません。
Q. 経過措置の期限はいつまでですか?
A. 令和9年3月31日までの間です。この期限は附則ではなく、条文本文(告示の注)に直接明記されています。B型・生活介護・就労継続支援A型で共通の期限です。
Q. 低所得者等とは生活保護世帯や非課税世帯のことですか?
A. いいえ、それだけではありません。本人と同一世帯の者(特定支給決定障害者は配偶者のみ)の市町村民税所得割の合算額が28万円未満(特定支給決定障害者は16万円未満)の利用者まで含む、より広い基準です。
Q. 令和6年度改定で新しく必要になった要件は何ですか?
A. 栄養面の3つの要件です。管理栄養士又は栄養士による献立確認、利用者ごとの摂食量の記録、利用者ごとの体重又はBMIのおおむね6月に1回の記録が加わりました。
この記事の根拠資料
1.
厚生労働省・こども家庭庁
PDF29頁「就労継続支援B型サービス費」の加算一覧で食事提供体制加算30単位を確認・2026年08月19日確認
3.
厚生労働省
PDF138〜140頁「⑭食事提供体制加算の取扱いについて」(生活介護の項)及びPDF300頁「⑩食事提供体制加算の取扱いについて」(就労継続支援B型の項・準用)を確認・2026年08月19日確認
6.
厚生労働省
PDF2〜3頁「障害福祉サービス等における横断的事項」(食事提供体制加算)問1を確認・2026年08月19日確認
8.
e-Gov法令検索(政府)
第17条第1号〜第4号(負担上限月額の区分)を確認・2026年08月19日確認
最終確認:2026.08.19

この記事の更新履歴

2026.08.19初回公開
執筆・監修
徳永 崇志

徳永 崇志

現役の就労継続支援B型事業所運営者

埼玉県志木市で実際にB型事業所を運営しています。

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