現役の事業所運営者が書く、障害福祉の経営誌

目標工賃達成指導員配置加算とは
単位数と5:1の配置要件を
一次資料から整理する

最終更新制度基準日
執筆:福祉経営ナビ編集部
監修:徳永 崇志(現役の就労継続支援B型事業所運営者)
初回公開
結論

目標工賃達成指導員配置加算は、就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)又は(Ⅳ)を算定する事業所で算定できます。単位数は利用定員の規模別に、1日45単位から36単位まで5段階です。目標工賃達成指導員を常勤換算方法で1人以上配置し、この指導員と職業指導員・生活支援員を合わせた総数が、常勤換算方法で利用者数の5分の1以上であることが要件です。

就労継続支援B型の基礎の人員基準は常勤換算10:1です。これを満たすだけでは、この加算の5:1要件には届きません。目標工賃達成指導員になるための資格要件は、確認した告示・通知には見当たりません。この加算とは別に、工賃向上計画の目標を達成した場合に算定できる目標工賃達成加算(10単位)があります。

単位数
定員20人以下45単位/21人以上40人以下40単位/41人以上60人以下38単位/61人以上80人以下37単位/81人以上36単位(いずれも1日につき)
配置要件
目標工賃達成指導員を常勤換算方法で1人以上配置し、職業指導員等(職業指導員及び生活支援員)と合わせた総数が常勤換算方法で利用者数の5分の1以上
算定できる事業所
就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)又は(Ⅳ)を算定している指定就労継続支援B型事業所等に限る
基礎の人員基準との違い
B型の人員基準は常勤換算10:1(職業指導員及び生活支援員の総数)。この加算はさらに厳しい5:1を、目標工賃達成指導員を含めた総数で求める
資格要件
確認した告示・通知には、目標工賃達成指導員の資格要件を定めた記載は見当たらない
工賃向上計画
目標工賃達成指導員は、都道府県の工賃向上計画に基づき自らも工賃向上計画を作成する指導員と定義されている
別の加算との関係
目標工賃達成加算(1日10単位)は、この加算を算定している事業所が工賃向上計画の目標を達成した場合に算定できる別の加算
制度基準日2026.06.01
根拠:厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号、令和8年6月1日適用版)
目次

単位数は定員規模で5段階に分かれる

目標工賃達成指導員配置加算は、利用定員の規模に応じて1日45単位から36単位までの5段階に分かれます。

区分利用定員単位数(1日につき)
20人以下45単位
21人以上40人以下40単位
41人以上60人以下38単位
61人以上80人以下37単位
81人以上36単位

定員が大きくなるほど単位数は下がります。確認できた範囲では、令和8年度改定でこの単位数に変更は見当たりません。

配置要件は総数5:1。基礎の人員基準10:1を満たすだけでは届かない

配置要件は、目標工賃達成指導員を含めた総数が常勤換算方法で5:1以上であることです。基礎の人員基準である10:1を満たすだけでは、この加算の要件には届きません。

基準の名称配置の比率何の総数を求めるか
B型の人員基準(基礎)10:1職業指導員及び生活支援員
B型サービス費(Ⅰ)の施設基準6:1職業指導員等(職業指導員及び生活支援員)
目標工賃達成指導員配置加算の施設基準5:1職業指導員等+目標工賃達成指導員

基礎の人員基準は、職業指導員及び生活支援員の総数を常勤換算方法で10:1以上と定めています。就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)を算定するための施設基準は、これより厳しい6:1で、この6:1の分母は前年度の利用者の数の平均値です。目標工賃達成指導員配置加算の施設基準は、さらに目標工賃達成指導員を加えた総数で5:1を求めますが、こちらの分母は利用者の数であり、6:1とは分母の取り方が異なります。

目標工賃達成指導員は、この総数の要件とは別に、常勤換算方法で1人以上の配置も必要です。総数だけ満たしても、1人以上を目標工賃達成指導員として位置づけていなければ、要件を満たしません。

目標工賃達成指導員に資格要件の定めは見当たらない

目標工賃達成指導員になるための資格要件は、確認した告示・通知には見当たりません。

目標工賃達成指導員は、都道府県の工賃向上計画に基づいて自らも工賃向上計画を作成し、工賃目標の達成に積極的に取り組むための指導員と定義されています。具体的な取組例として、通知は生産活動収入の向上を目指し、国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律に基づく積極的な物品や役務等の受注促進を挙げています。また、地域と連携した農福連携等の取組を通じた新たな生産活動領域の開拓、ICT機器等の導入による利用者の生産能力向上なども挙げています。

定義は役割と職務内容によるもので、社会福祉士等の資格や実務経験年数を求める記載は確認できていません。「記載が見当たらない」という記録であり、「資格要件が存在しない」と確定したものではありません。

目標工賃達成指導員が他の職務と兼務できるかどうかについても、確認した告示・通知に定めは見当たりません。配置を検討する際は、確認できていない点として扱ってください。

関連する実務資料
早見表

就労継続支援B型 加算の要件・単位数 早見表

この記事で扱う加算について、区分ごとの単位数と要件を1枚の表にまとめています。

資料を見る →

工賃向上計画の作成が算定要件に組み込まれている

目標工賃達成指導員配置加算は、事業所自身の工賃向上計画の作成が、指導員の定義そのものに組み込まれています。

この加算とは別に、工賃向上計画の目標を達成した場合に算定できる目標工賃達成加算があります。目標工賃達成加算は1日10単位で、目標工賃達成指導員配置加算を算定している事業所が対象です。工賃向上計画に掲げた工賃目標を実際に達成した場合に算定できます。

加算名単位数関係
目標工賃達成指導員配置加算45〜36単位(定員規模別)本記事のテーマ
目標工賃達成加算10単位目標工賃達成指導員配置加算を算定している事業所が対象の、別の加算

目標工賃達成加算の工賃目標は、目標年度の前年度における当該事業所の平均工賃月額に、全国平均工賃月額の前々年度と前々々年度の差額を加えた額以上と定められています。この額が前年度の当該事業所の平均工賃月額を下回る場合は、前年度の実績額が目標の下限になります。

算定できるのはB型サービス費(Ⅰ)又は(Ⅳ)の事業所に限られる

この加算を算定できるのは、就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)又は(Ⅳ)を算定している事業所に限られます。

施設基準は、対象を「就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)又は就労継続支援B型サービス費(Ⅳ)を算定する指定就労継続支援B型事業所等」と定めています。(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅴ)(Ⅵ)を算定している事業所は、この条文上、対象に含まれていません。

留意事項通知とQ&Aは、対象を「(Ⅰ)及び(Ⅳ)」と表記しています。ただし告示本文は「(Ⅰ)又は(Ⅳ)」です。1つの事業所が同じ日に(Ⅰ)と(Ⅳ)を同時に算定することはできないため、通知の「及び」は「(Ⅰ)の事業所と(Ⅳ)の事業所のいずれも対象」という趣旨と読めます。条文としては告示の「又は」を採用してください。

届出が必要。配置を増やす前に確かめること

この加算は自動的に算定されず、都道府県知事又は市町村長への届出が必要です。

告示は、目標工賃達成指導員・職業指導員及び生活支援員の総数が施設基準に適合しているものとして、障害保健福祉部長が定める様式による届出を行った事業所において算定できると定めています。具体的な届出様式や提出時期は、一次資料の確認範囲では特定できていません。

配置を増やす前に、次を確かめてください。

  • 自事業所が就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)又は(Ⅳ)を算定しているか
  • 現在の職業指導員等の総数が、常勤換算方法で、前年度の利用者数の平均値に対して6:1(サービス費(Ⅰ)の施設基準)を満たしているか
  • 目標工賃達成指導員を常勤換算方法で1人以上、新たに確保できるか
  • 職業指導員等と目標工賃達成指導員を合わせた総数が、常勤換算方法で5:1になるか
  • 都道府県の工賃向上計画に基づいた事業所独自の工賃向上計画を作成できるか
実務ではこう組めます

検討の起点は、現在の職業指導員及び生活支援員の常勤換算数を出すことです。基礎の人員基準である10分の1以上を満たしていても、この加算が求める5分の1以上には届かないことがあります。まず現在の総数を出し、目標との差を数字で確認します。差が出た時点で、その不足分を新規採用で埋めるか、既存職員の役割変更で埋めるかを検討する段取りになります。

目標工賃達成指導員は常勤換算で1人以上を別枠で確保したうえで、その人数を含めた総数を5分の1以上に整える必要があります。新規採用で不足を埋める場合は、増員分がそのまま総数に上乗せされます。既存職員の役割変更で埋める場合は、総数自体は増えない点に注意が必要です。どちらの方法を選ぶかは、現在の職員体制と採用の見込みを踏まえて判断することになります。

目標工賃達成指導員の定義には、都道府県の工賃向上計画に基づいて自らも工賃向上計画を作成することが含まれています。そのため人の確保だけを先に済ませ、計画の作成を後回しにする組み立ては難しく、担当者を決める段階から計画作りも並行して進める必要があります。総数の要件と計画の作成は、どちらも欠かせない前提として同時に進めることになります。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

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よくある質問

Q. 目標工賃達成指導員配置加算はどんな加算ですか?
A. 利用定員の規模別に1日45単位から36単位を加算する制度です。目標工賃達成指導員を常勤換算方法で1人以上配置し、職業指導員等と合わせた総数が常勤換算方法で利用者数の5分の1以上であることが要件です。就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)又は(Ⅳ)を算定している事業所に限られます。
Q. 常勤換算10:1の人員基準を満たしていれば算定できますか?
A. いいえ、それだけでは算定できません。目標工賃達成指導員配置加算の施設基準は、目標工賃達成指導員を含めた総数で常勤換算5:1以上を求めています。基礎の人員基準である10:1より厳しい配置です。
Q. 目標工賃達成指導員に資格は必要ですか?
A. 確認した告示・通知には、資格要件を定めた記載は見当たりません。役割は工賃向上計画の作成と工賃目標達成への取組と定義されています。記載が無いことは、資格要件が存在しないと確定したことを意味しません。
Q. 就労継続支援B型のどの区分の事業所が算定できますか?
A. 就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)又は(Ⅳ)を算定している事業所に限られます。(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅴ)(Ⅵ)を算定している事業所は対象外です。
Q. 目標工賃達成加算と目標工賃達成指導員配置加算は同じ加算ですか?
A. いいえ、別の加算です。目標工賃達成加算(1日10単位)は、目標工賃達成指導員配置加算を算定している事業所が、工賃向上計画の工賃目標を達成した場合に算定できます。
Q. 目標工賃達成指導員は他の職務と兼務できますか?
A. 確認した告示・通知には、兼務の可否を定めた記載は見当たりません。配置を検討する際は、確認できていない点として扱ってください。
この記事の根拠資料
2.
厚生労働省
「十四 指定就労継続支援B型等の施設基準」中「イ」「ト」で配置要件の総数(6:1・5:1)を確認・2026年08月19日確認
4.
厚生労働省
PDF7頁「(1)就労継続支援B型(目標工賃達成加算の取扱いについて)問13」を確認・2026年08月19日確認
6.
厚生労働省
PDF29頁の単位数一覧表で45/40/38/37/36単位・10単位を確認・2026年08月19日確認
最終確認:2026.08.19

この記事の更新履歴

2026.08.19初回公開
執筆・監修
徳永 崇志

徳永 崇志

現役の就労継続支援B型事業所運営者

埼玉県志木市で実際にB型事業所を運営しています。

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