現役の事業所運営者が書く、障害福祉の経営誌
実務資料/計算シート

開設資金の組み立てシート(施設整備費補助金・WAM融資・自己資金)

就労継続支援B型を開設するときの資金を、社会福祉施設等施設整備費補助金、福祉医療機構の福祉貸付、自己資金の3つに分けて計算する記入用シートです。協議から内示、交付までの年度スケジュールも載せています。

制度基準日 2026.08.23

PDFをダウンロード 印刷して、A欄から順に手で書き込む使い方を想定しています。

使い方

就労継続支援B型を開設するときの資金を、社会福祉施設等施設整備費補助金、独立行政法人福祉医療機構(WAM)の福祉貸付、自己資金の3つに分けて出します。上から順に、シート1で補助金、シート2で融資、シート3で自己資金を計算し、最後に合計と総事業費を突き合わせます。

補助金と融資はつながっています。融資限度額の計算で所要額から差し引く「法的・制度的補助金」に社会福祉施設等施設整備費補助金(都道府県等の負担分を含む)が挙げられているため、シート1を先に埋めないとシート2が出ません。また、この補助金の交付が行われる整備事業は融資率が優遇されます。

この資料は補助金と融資の枠組みを整理するためのものです。要件を満たせば対象になりえますが、採択や融資が保証されるものではありません。補助対象経費の額は都道府県等が補助基準単価に基づいて算定するため、記入した工事費とは一致しません。

シート1 社会福祉施設等施設整備費補助金(令和7年度予算案時点の負担割合)

負担割合は、国が2分の1、都道府県・指定都市・中核市が4分の1、設置者が4分の1です。土地の買収または整地に要する費用は補助対象外と明記されているため、総事業費と補助対象経費を分けて書きます。

出すもの計算記入欄
A総事業費(1事業所あたり)工事費・設備備品費・設計監理費・土地の取得費など、開設に要する費用の総額       円
B補助対象外の経費(1事業所あたり)Aのうち、土地の買収または整地に要する費用       円
C補助対象経費(1事業所あたり)A − B(実際の額は都道府県等が補助基準単価に基づいて算定します)       円
D国の補助額C × 2分の1       円
E都道府県・指定都市・中核市の補助額C × 4分の1       円
F設置者負担額C × 4分の1       円
G補助金でまかなえない額(1事業所あたり)F + B(設置者負担分に、補助対象外の経費を足した額)       円

整備区分をひとつ選ぶ

主な整備区分は次の4つです。当てはまるものに印を付けてください。

整備区分内容選択
創設新たに施設を整備する場合
増築既存施設の定員増員のための整備
改築一部改築・耐震化等整備を含む
大規模修繕等老朽化した施設の改修や利用者ニーズに合わせた改修等

大規模修繕等の対象事業としては、施設の一部改修、附帯設備の改造、冷暖房設備の設置等、施設の模様替、環境上の条件等により必要となった施設の一部改修、消防法および建築基準法等関係法令の改正により新たにその規定に適合させるために必要となる改修、介護用リフト等特殊附帯工事、土砂災害等に備えた施設の一部改修等、生産設備近代化整備等が例示されています。アスベストの除去等に要する費用も補助対象です。

設置者の範囲について。国庫補助の対象になりうる法人格として、原文の脚注には「社会福祉法人、医療法人、日本赤十字社、公益社団法人、公益財団法人、一般社団法人、一般財団法人、特例民法法人、NPO法人、営利法人等」が挙げられています。株式会社などの営利法人やNPO法人を排除する記載はありません。社会福祉法人を新たに設立して施設経営を始める場合は、都道府県・指定都市・中核市(所轄庁)から社会福祉法人の設立認可を受けることが必要です。

出典:厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部「障害保健福祉関係主管課長会議資料(令和7年3月)」56〜57ページ、厚生労働省「社会福祉施設の整備・運営」ページ本文(確認日 2026.08.23)

シート2 福祉医療機構(WAM)の福祉貸付(2026年度)

融資限度額は、(1)(所要額 − 法的・制度的補助金)× 融資率、(2) 担保評価額 × 80%、のいずれか低い額です。貸付金額は10万円単位で、最低200万円です。

出すもの計算記入欄
H所要額(1事業所あたり)建築資金 + 設備備品整備資金 + 土地取得資金 + 経営資金       円
I差し引く法的・制度的補助金D + E(施設整備費補助金の国の補助額と都道府県等の負担分の合計)       円
J融資率下の「融資率の選び方」で選んだ率       %
K計算式(1)の額(H − I)× J       円
L計算式(2)の額担保評価額(      円)× 80%       円
M融資限度額KとLのうち低いほうの額。10万円単位、最低200万円       円
N借入予定額Mの範囲内で実際に借り入れる額       円

所要額に含められる費用は、建築資金(建築工事費、大型設備等工事費として介護用リフト・自家発電設備・給水設備等、特殊工事費、設計監理費)、設備備品整備資金(機械器具・備品の購入・取付工事等)、土地取得資金(施設用地の取得費用)、経営資金(施設または事業の経営に必要な資金)です。

融資率の選び方(2026年度)

場面融資率選択
障害福祉サービス事業(就労継続支援事業を含む)の通常の整備80%
社会福祉施設等施設整備費国庫補助金の交付が行われる障害福祉サービス事業所・障害者支援施設の整備事業(取扱期間は2027年3月31日まで)85%
入所定員削減を伴う障害者支援施設、および一体整備する共同生活援助・短期入所事業90%
精神病床の削減に資する共同生活援助事業の整備事業90%
社会福祉施設等の防災・減災に係る整備(高台移転・耐震化・スプリンクラー整備・ブロック塀等改修・水害対策強化等の国庫補助等対象事業)。貸付利率は基準利率から0.5%の引き下げ、据置期間中は無利子。高台移転と危険区域移転は全期間無利子95%
社会福祉施設の自家発電設備等の導入工事(国庫補助等対象事業の場合は施設本体を含む。対象外の場合は自家発電設備・給水設備部分のみ)。貸付利率は基準利率から0.5%の引き下げ、据置期間中は無利子95%

返済の条件を書き込む

償還期間貸付金額の区分(500万円以下から2,000万円以上まで)と貸付金の種類(建築資金の耐火構造/耐火構造以外、設備備品・経営資金等)に応じて、最短5年以内から最長20年以内    年以内
据置期間最短6か月。償還期間の長さに応じて1年以内から3年以内    か月
金利の方式償還期間が10年を超える場合は、完全固定金利制度(契約時の利率が償還期限まで固定)と10年経過ごと金利見直し制度のいずれかを選びます。設置・整備資金の償還期間が10年以内の場合は見直し制度を使えません完全固定 / 10年ごと見直し
貸付利率金銭消費貸借契約を締結した時点の利率が適用されます。令和8年8月3日改定の主要貸付利率表(固定金利・10年以内)では、参考の基準利率が年3.100%、区分「1 社会福祉事業施設」が年2.600%です     %
保証人不要制度利用する場合は貸付利率に年0.05%が上乗せされます。利用しない場合は法人代表者等の個人連帯保証です利用する / 利用しない
担保原則として、融資対象施設・事業の敷地(原則第一順位抵当権)、その敷地上の建物、敷地上の地上権の担保提供が必要です。損害保険付保と質権設定も必要です確認済 / 未確認

利率表には「障害福祉サービス事業」という区分名の記載がなく「社会福祉事業施設」という総称のみのため、就労継続支援B型がどの区分に当たるかは表の文言だけでは断定できません。実際の利率は融資相談の窓口で確認してください。

出典:独立行政法人福祉医療機構「2026年度 福祉貸付事業 融資のごあんない」6〜9ページ、13〜15ページ、同「主要貸付利率表(令和8年8月3日改定)」1〜2ページ(確認日 2026.08.23)

シート3 自己資金と突き合わせ

出すもの計算記入欄
O自己資金法人が用意する現預金など       円
P調達額の合計D + E + N + O       円
Q過不足P − A(マイナスなら不足しています)       円

設置者負担分については、独立行政法人福祉医療機構から低利の融資を受けることができると補助金側の資料にも明記されています。Qがマイナスになる場合は、整備の内容を見直すか、自己資金を積み増すか、民間金融機関との協調融資を検討することになります。融資対象面積が5,000㎡を超える借入申込は、原則として民間金融機関との協調融資(併せ貸しを含む)の利用が前提です。覚書を締結した金融機関は全国430機関あります。

交付決定後に事業を辞退する事例(法人負担分の資金確保が困難になった、用地取得が困難になった、入札不調で工期が遅れたなど)が発生しているため、都道府県市は協議対象施設を選ぶ段階で資金計画・工期等を厳格に審査し、交付決定後も進捗を確認することとされています。Qの欄は審査でも見られる部分です。

年度スケジュール(令和7年度・令和8年度に確認できた運用)

補助金の側は、事業者が都道府県等に事業計画書を出し、都道府県等が国に協議し、国が内示する、という2段階の構造です。融資の側は通年で受け付けています。

時期だれが何をするか確認できた年度自事業所の予定
建設予定年度の前年度の早い時期設置者が、建設計画・資金計画・土地の確保の状況等を明らかにした事業計画書を都道府県等に提出し、審査を受けます。原文に具体的な月の記載はありません令和7年度予算案  年  月
同上都道府県等が設置する外部有識者等を含む審査会等の合議制の審査を経て、国庫補助協議の対象施設が選定されます。優先順位の指標等の決定プロセスが確認できる書類の提出も必要です令和7年度予算案  年  月
3月上旬厚生労働本省が地方自治体に対して事前の協議額調査を行います令和7年度予算案  年  月
3月中地方自治体が地方厚生(支)局へ協議書を提出します令和7年度予算案  年  月
4月中地方厚生(支)局が都道府県・市へのヒアリングを行います令和7年度予算案  年  月
6月末から7月初め厚生労働省が内示(一般整備分・国土強靱化対策分)を公表します。令和7年度は令和7年6月30日、令和8年度は令和8年7月2日でした令和7年度・令和8年度  年  月
時期は確認できていません交付決定が行われます。交付決定の時期を示した一次情報には到達していないため、都道府県等に確認してください記載なし  年  月

協議額が予算額を大幅に上回ることが例年見込まれており、協議額が予算額を超えた場合は、各自治体が申請時に付した優先順位を踏まえて予算の範囲内で採択されます。予算額は、令和6年度が45億円、令和7年度予算案が50.4億円で、令和7年度は令和6年度補正予算(102億円)と一体編成され、国土強靱化分等を含め108.0億円と一体的に執行されています。令和7年度の補助基準単価は、資材費・労務費の動向等を踏まえて前年度比4.7%増の改定が予定されていました。

融資の側の日程(2026年度)

受付公募回や締切はなく、融資相談・申込みは通年で受け付けています相談日  年  月  日
審査の期間借入申込書が機構に到着し内容確認を終えてから融資審査を了するまで1か月程度  年  月
契約手続の期間貸付契約の締結や抵当権設定手続きに3か月程度  年  月
着工できる時期貸付内定通知書が届くまでは、工事請負契約(請書)、設備備品費に係る購入契約、土地建物の売買契約の締結(締結前の着手金等の支払いを含む)、工事着工をしないよう案内されています。設計・監理に係る業務委託契約の締結と支払いはこの限りではありません  年  月

貸付内定の前に、今次計画に係る工事請負契約・土地建物の売買契約の締結または工事着工を行った場合は、原則として融資の対象外になります。工事請負業者等への支払いは必ず振込で行う必要があり、現金による支払いは原則として融資の対象外です。

融資相談で用意する書類

融資相談票(整備計画・資金計画)、決算書(直近2か年分)、残高試算表(前期決算日から半年以上経過した時点での相談のみ)、収入支出償還計画表(開設後の収支予想)、計画敷地の公図・住宅地図・全部事項証明書、計画建物の配置図・平面図、法人を新設する場合は役員一覧と母体法人の概要資料、並行して別計画がある場合は関係資料、法人のパンフレット等です。借入申込書には、施設を管轄する都道府県市等からの意見書などの添付が必要です。初めての申込みや法人新設の場合は相談・審査に時間がかかる場合があるため、余裕を持って相談することが推奨されています。

融資の相談窓口は、施設の開設地が東日本の場合は福祉医療貸付部福祉審査課融資相談係(東京、TEL 03-3438-9298)、西日本の場合は大阪支店福祉審査課融資相談係(TEL 06-6252-0216)、NPO法人の場合はNPOリソースセンターNPO支援課(TEL 03-3438-4756)です。

出典:厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部「障害保健福祉関係主管課長会議資料(令和7年3月)」49〜57ページ、厚生労働省「令和7年度社会福祉施設等施設整備費補助金の内示について」、同「令和8年度社会福祉施設等施設整備費補助金の内示について」、独立行政法人福祉医療機構「2026年度 福祉貸付事業 融資のごあんない」4〜5ページ、9ページ、16〜17ページ(確認日 2026.08.23)

だれが対象になるか(B型利用者・A型利用者・職員)

どちらの制度も、資金を受け取るのは事業を行う法人です。利用者や職員が個人として補助や融資を受ける制度ではありません。次の表の「根拠の強さ」の列で、一次情報に名指しの記載があるものと、制度の組み立てから導かれるものを分けています。

対象社会福祉施設等施設整備費補助金WAMの福祉貸付根拠の強さ
B型の利用者対象外。施設整備(建物・設備)のための法人・自治体向けの制度で、利用者個人への給付ではありません該当しません。借入主体は事業を行う法人で、利用者個人が借りる制度ではありません制度の組み立てからの帰結です。B型の利用者を名指しして除外した記載は、どちらの一次情報にもありません
A型の利用者対象外。雇用契約の有無にかかわらず、利用者個人向けの制度ではありません該当しません。同じく借入主体は法人です制度の組み立てからの帰結です。A型の利用者を名指しして除外した記載はありません
事業所の職員対象外。施設整備費(建築資金・設備整備費等)であり、人件費・賃金への直接の補助ではありません該当しません。融資は法人単位で、職員個人が借入主体になる制度ではありません制度の組み立てからの帰結です
法人(設置者・借入申込者)対象になりえます。国庫補助を受けられる法人格として、社会福祉法人、医療法人、日本赤十字社、公益社団法人、公益財団法人、一般社団法人、一般財団法人、特例民法法人、NPO法人、営利法人等が挙げられています就労継続支援事業を含む障害福祉サービス事業では、融資を受けられる方の欄が「法人」とのみ記載され、法人格の種類を限定する記載はありませんいずれも一次情報に記載があります。ただしWAMについては、株式会社立の就労継続支援B型が実際に借り入れた事例を明記した一次情報は確認できていません

入所施設である「障害者支援施設」を整備する場合は扱いが違います。WAMの表では、障害者支援施設の融資を受けられる方が「社会福祉法人・日本赤十字社・一般社団法人」と記載され、医療法人・NPO法人・営利法人は列挙されていません。通所の障害福祉サービス事業と入所施設を混同しないでください。

B型で使われている実績

令和7年度の内示(防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策分、令和7年6月30日付)に、施設種別のひとつとして「就労継続支援B型」が単独で計上され、宮城県に1件・55,824千円(約5,582万円)が内示された実例があります。同じ表には生活介護、自立訓練、多機能型、共同生活援助、障害者支援施設も並んでいます。障害福祉サービス事業所等の日中活動系サービス(就労移行支援、就労継続支援事業所等)やグループホーム等の整備促進を図ることが、令和7年度予算案の説明資料に政策目的として明記されています。

国庫補助を受けられるのは、障害者総合支援法等に基づく障害福祉施設等を整備しようとする場合で、各都道府県・指定都市・中核市・市町村の障害福祉計画に合致することが条件です。まず自分の地域の障害福祉計画を確認してください。

この資料に載せていないこと

  • 補助基準単価の絶対額(1施設あたり・1定員あたりの円建ての単価表)。交付要綱の別表にあると考えられますが、一次情報として現物を確認できていません。令和7年度は前年度比4.7%増の改定という増減率だけが確認できています。
  • 交付決定前に着工してよいかどうか。厚生労働省の交付要綱本文には到達できていません。融資の側は貸付内定前の契約・着工が原則として融資対象外と明記されているため、補助金の側についても都道府県等に必ず確認してください。
  • 事業計画書を都道府県等に提出する具体的な月。原文は「建設予定年度の前年度の早い時期に」としか書いておらず、秋や冬といった月の指定はありません。
  • 令和8年度の障害福祉分野の内示総額と件数。内示の公表日は令和8年7月2日と確認できていますが、内訳の数値は読み込めていません。
  • WAMの貸付利率表で、就労継続支援B型が「1 社会福祉事業施設」の区分に入るかどうか。表の文言に明記がありません。

出典

  • 厚生労働省「社会福祉施設の整備・運営(社会福祉施設等の整備について)」ページ本文(対象施設・補助率)。原文(確認日 2026.08.23)
  • 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部「障害保健福祉関係主管課長会議資料(令和7年3月)」49〜57ページ「4 障害福祉関係施設等の整備について」。原文(PDF)(確認日 2026.08.23)
  • 厚生労働省「令和7年度社会福祉施設等施設整備費補助金の内示について(令和7年度当初予算等)」(公表日 令和7年6月30日)。原文(確認日 2026.08.23)
  • 厚生労働省「令和7年度社会福祉施設等施設整備費補助金の内示について(防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策分)」1ページ(施設種別ごとのカ所数・内示額)。原文(PDF)(確認日 2026.08.23)
  • 厚生労働省「令和8年度社会福祉施設等施設整備費補助金の内示について(令和8年度当初予算等)」(公表日 令和8年7月2日)。原文(確認日 2026.08.23)
  • 独立行政法人福祉医療機構「2026年度 福祉貸付事業 融資のごあんない」2〜17ページ(融資の対象、融資限度額の計算方法、融資条件、融資条件の優遇措置、協調融資制度)。原文(PDF)(確認日 2026.08.23)
  • 独立行政法人福祉医療機構「(福祉貸付)主要貸付利率表(令和8年8月3日改定)」1〜2ページ(設置・整備資金の利率表)。原文(PDF)(確認日 2026.08.23)
  • 独立行政法人福祉医療機構「福祉・医療貸付の融資をご検討の皆様へ」(相談窓口・必要書類)。原文(確認日 2026.08.23)

最終更新 2026.08.23